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参院委

過労自殺、首相ら把握せず 裁量労働監督に疑問

参院予算委員会で質問を聞く安倍晋三首相(左)と麻生太郎財務相=国会内で2018年3月5日、川田雅浩撮影

 安倍晋三首相は5日の参院予算委員会で、裁量労働制を違法に適用して厚生労働省から特別指導を受けた不動産大手「野村不動産」で男性社員が過労自殺していた問題について、「特別指導は報告を受けたが、(過労自殺は厚労省から)報告は受けていない」と明らかにした。男性は、厚労省が特別指導の結果を公表した昨年12月に労災認定されたが、加藤勝信厚労相も「そのタイミングでは知らなかった」と述べた。

 首相はこれまで国会で、違法な裁量労働を取り締まった例として同社の特別指導を挙げ、「制度が適正に運用されるよう、今後も指導を徹底する」と答弁してきたが、男性の過労自殺には言及していなかった。民進党の石橋通宏氏は、過去の首相答弁が「(今の裁量労働への)チェックが機能している好事例であるかのようだった」と追及した。

 加藤氏は過労自殺を全て公表しているわけではないとして「隠蔽(いんぺい)ではない」と釈明。ただし、男性の件が特別指導のきっかけになったかについては「具体的なコメントは控える」と説明を避けた。首相は「一般の働き方でも(過労自殺は)起きており、労働基準監督署が適切に指導することが大切だ」と述べるにとどめた。

 厚労省東京労働局は昨年12月、野村不動産が裁量労働制の社員に対象外の業務をさせたとし、是正を求める特別指導を実施。裁量労働制で働いていた同社の50代男性は2016年9月に自殺し、遺族が労災を申請して認められた。政府は今国会で裁量労働の対象拡大を見送ったが、野党は「今の制度でさえ規制が不十分だ」と批判した。

 一方、厚労省は、現行の「企画業務型裁量労働制」が適用されている全国の労働者と事業場の数を開示した。会社の中枢で企画立案をする人が対象で、14年度は6万7558人(2513事業場)、15年度は7万1826人(2830事業場)、16年度は7万4299人(3090事業場)。共産党の小池晃書記局長が昨年6月の国会で公表を求めたことを受け、各地の労基署からの定期報告を初めて集計した。【水脇友輔、古関俊樹】

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