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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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’18センバツ由利工 戦力分析/中 守備 3捕手の長所見極め起用 二遊間は中学からのコンビ /秋田

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捕手としてチームを支える畑山主将(左)と田口選手 拡大
捕手としてチームを支える畑山主将(左)と田口選手
雪解けしたグラウンドでノックを受ける内野手たち=由利本荘市で 拡大
雪解けしたグラウンドでノックを受ける内野手たち=由利本荘市で

 <第90回記念選抜高校野球>

 パン! パン!

 室内練習場に快音が高らかに響いた。主将の畑山陸翔(りくと)捕手(2年)がキャッチングの姿勢で、バッティングマシンから飛び出したボールを捕球する。マシンに白球を入れる田口海斗(同)、近くで見守る井島虎之介(同)の両捕手と合わせ、3人ともメンバー入りした。3人はいずれも正捕手の経験を持つライバル同士だ。

 18人のメンバーのうち、捕手は通常2人。3人は珍しいが、これには理由がある。渡辺義久監督(39)は3人それぞれの長所を見極め、試合状況に応じて起用する。継投ならぬ「継捕」だ。

 東北大会初出場を決めた昨秋の能代戦は、3人の「継捕」で勝利をもぎ取った一戦だった。

 先発の畑山主将は六回まで佐藤亜蓮投手(2年)を好リードし、8奪三振。六回に1失点した後、渡辺監督は「点を取るしかなかった」と判断。七回、代打で強打の井島捕手を送り出した。その回、チームは4点を奪い逆転。その後、3番手の田口捕手が「守備固め」を託され、無失点で切り抜け勝利した。

 センバツに向けては畑山主将が背番号2の正捕手を射止めた。1年から学年リーダーを務めた統率力が持ち味で、「三振を狙う配球を心掛ける」と強気な一面を見せる。井島捕手は打撃が強みだ。昨秋の弘前東(青森)戦では五回に代打で登場。その後マスクをかぶり、佐藤投手の完投を支えた。3打数2安打と、打撃でも勝利に貢献した。背番号18の田口捕手は送球や捕球の精度が高く、投手からの信頼が厚い。

 「継捕」は別の効果もある。先発を外れた捕手が、相手投手の球筋や配球をベンチから観察してメモをとる。その内容を試合に出ている捕手に伝える。時には味方投手の球筋についての意見も伝える。捕手ならではの視点で、効果的なアドバイスができる。渡辺監督は「甲子園でも3人の捕手を使う可能性がある」と話す。

 一方、バッテリーをもり立てる野手陣も頼もしい。

 チーム一の「守備職人」は佐々木聖弥遊撃手(2年)。大友丈二塁手(同)とは中学時代からの二遊間コンビ。「あうんの呼吸」で併殺を狙う。

 外野陣は俊足ぞろいで、守備範囲が広い。土井幹太中堅手(同)と菊地浩介左翼手(同)はいずれも50メートル走6秒とチーム随一のスピードだ。甲子園特有の「浜風」には要注意だが、渡辺監督は「うちのグラウンドも日本海から強い風が吹く。慣れている」と話す。

 大会までの残り時間は少ない。守備の精度を上げるのは喫緊の課題だ。堅い守備でリズムをつくり、粘り強い攻撃につなげたい。【川口峻】

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