特集

第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。1月28日の選考委員会も速報します。

特集一覧

燃えろ聖陵

初めての春 支える人たち/1 選手第一、細かな気遣い マネジャー・田辺飛雄馬さん(17) /愛媛

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
「マネジャー日誌」を書く松山聖陵野球部マネジャーの田辺飛雄馬さん=松山市久万ノ台で、中川祐一撮影 拡大
「マネジャー日誌」を書く松山聖陵野球部マネジャーの田辺飛雄馬さん=松山市久万ノ台で、中川祐一撮影

 <第90回選抜高校野球>

 「あいつら切ってやらんと食わないんすよ」。寒風が吹く2月中旬、そう言って部室で差し入れのみかんを一口サイズに切っていたのは、マネジャーの田辺飛雄馬さん(17)だ。手がかじかむような寒さの中、時折みかんを頬張った。「腹減ってるんで」。人懐っこい笑顔を見せる。

 大阪府出身。小学3年生の時に野球を始め、中学時代は投手をしていた。松山聖陵に入学し、選手として甲子園を目指したが1年生の秋、腰が悲鳴を上げた。

 「ちょっと厳しいかな」。分離症と診断され、医者にそう告げられた。練習できない日々。その間に他の選手たちはどんどん上達していった。「もうついて行けない」。冬を迎える頃、マネジャーとしてチームを支えると決めた。

 現在、聖陵の野球部には1、2年生合わせて47人の部員がいる。マネジャーは田辺さんだけだ。選手たちの飲み物を用意し、練習の準備、笛吹き、タイムキーパー、ノッカーと「仕事」は多い。

 時には練習の合間に選手たちがつまめるよう、一口サイズのおにぎりを用意をする。みかんやおにぎりを一口サイズにするのは「手が汚れたら冷たい水で洗わないといけないし、練習時間も短くなるから」。選手たちのことを第一に考えた細かな気遣いが光る。

 昨年12月からは「マネジャー日誌」を始めた。センバツ出場が決まった1月26日、改めて決意を記した。「選手は絶対に大きな壁にぶつかる。それを自分がカバーしてあげられるマネジャーになりたい」

     ◇

 23日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕するセンバツ。大舞台に向けて練習に励む松山聖陵の選手を支える人たちを紹介する。【中川祐一】

関連記事

あわせて読みたい