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第103回全国高校野球選手権

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支える人たち/3 富島コーチ・中川清治さん(48) 温かく成長見守る /宮崎

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練習後、選手に語りかける中川さん 拡大
練習後、選手に語りかける中川さん

 <第90回記念選抜高校野球>

 「お前ら、そんなのでは甲子園で勝てないぞ」。富島のグラウンドで2月、試合を想定して走者を置いた打撃練習をしている部員に、コーチの中川清治さん(48)は発破をかける。

 浜田登監督に誘われて2014年、コーチに就任。以来、二人三脚で「県内一」と自負する練習メニューを創り上げ、仕事を終えた午後6時ごろ、ほぼ毎日顔を出す。

 日向市出身。日向高3年の時には夏の県大会でベスト16入り。日体大に進学し野球部に入部し、明治神宮大会でベスト4まで進んだ。卒業後、建設資材販売会社に就職し、28歳で結婚。現在富島野球部の主将を務める大輝さん(2年)が誕生した。

 大輝さんは小1から地域のソフトボールチームに入り、請われた中川さんはその後、同じチームの監督に就いた。試合では息子の力が飛び抜けてないとレギュラーに入れなかった。

 「もっとうまくなると期待されていると思って頑張った」。そう振り返る大輝さんは「父と一緒に甲子園に行きたい」と16年4月に富島に進学し野球部に。1年からレギュラーで活躍したものの、昨夏の県大会では甲子園出場をした聖心ウルスラと2回戦で対戦し、3-12でコールド負けした。

 2年生主体の新チームはその直後に発足。中川さんは好投手では打てない試合もあるとみて走塁や打撃の強化に取り組み、8月の新人戦で強豪の延岡学園や聖心ウルスラを連破。昨秋の九州地区大会県予選でも打線をつなぎ、逆転勝利を繰り返した。「今のチームは吸収力があり、伸びしろを期待した。1分1秒でもあきらめない力がある」と語る。

 ソフトボールチーム監督時代、山下蒼生選手(同)、井本健太選手(同)が同じチームに在籍し、対戦相手には黒田直人捕手(1年)がいたこともあった。

「幼いころから知る子供たちが心身ともに成長する姿を見ることはうれしい」。眼鏡の奥のまなざしは温かさに満ちていた。=つづく

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