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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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文書改ざんに抗議する 国という木船 修理必要=中島京子・作家

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=根岸基弘撮影
=根岸基弘撮影

 私たちはもう何年も、泥船に乗っているんじゃないかという気がしてくる。財務省の、例の「森友文書改ざん」の報を見ながら。

 私たちはコツコツ働いて税金を納め、代表を国会に送り、国会はそのお金をどう使うかを審議し予算を決め、行政はその予算を有効に使って、国民の生命・財産を守り、ひとりひとりが幸福に生きるための社会を整えるということになっている。国民は「国」というがっしりした船に乗り込み、安心して航海するイメージだ。しかし、私たちがせっせと税金を送ったところまではいいが、「では、お願いしますよ」と乗り込んだ「国家」という船が、なんとも信用できないものであり続けている。

 何年か前に国会で、安倍晋三首相が「税金は国民から吸い上げたもの」と、鼻息荒く答弁していた。この言葉に関しては謝罪も何もなかったような気がするけれど、私たちは税金を主権者たる国民として真摯(しんし)に納めているのであって、幕府やお上に吸い上げられているのではない。

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