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東日本大震災は11日で発生7年を迎えた。新しいまちづくりが最終盤の被災地では、あの日の記憶を語り継ぐ動きが活発になっている。宮城県名取市の丹野祐子さん(49)が中学1年だった長男公太さん(当時13歳)を津波で失った閖上(ゆりあげ)地区も、盛り土でかさ上げされ、新しい家が建ち始めた。公太さんを育て、津波に破壊されたまちの痕跡はない。それでも丹野さんは閖上に戻ることにした。見えるものがなくなり、伝えることもしなければ、またどこかで犠牲が繰り返される--。そう考えているからだ。
10日午後、丹野さんは閖上から300キロ以上離れた横浜市歴史博物館にいた。震災の復興支援イベントに招かれ、思いを語った。「7年前の今日、私は決して不幸ではなかったはずです。次の日、私の息子に明日は来ませんでした。当たり前と思っていた命がどんなに大切か、たった13歳の息子が教えてくれました」。胸元に公太さんの遺骨を入れたペンダントが光る。約110人の聴衆の中には涙をぬぐう人もいた。
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