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タイ

奨学金の返済、給与から天引きへ 滞納者6割超で

 【バンコク西脇真一】タイ政府系の「学生ローン基金」が、奨学金の返済金を勤務先の給与から天引きし、強制的に回収する計画を進めている。滞納者が230万人、滞納総額も680億バーツ(約2300億円)に膨らんだため。6月から一部国家公務員を対象に試験導入し、9~10月以降は大企業の社員らへと順次拡大する。利用者からは「あんまりだ」との声もあるが、基金側は「制度の危機だ」と理解を求めている。

     基金の制度は1996年に始まった。昨年末までに540万人が利用し、貸与総額は5640億バーツ。年利1%で、返済の必要がある人は356万人だが、このうち滞納者の割合が64%、滞納額の割合も貸与総額の12%に上っている。

     基金はこれまで、滞納者約120万人を相手に返還訴訟も起こした。さらに回収を進めるため、天引き制の導入を決定し、必要な法整備も昨年実施した。

     学生時代に基金を利用した人は、雇用主に自主的に申告。基金側も利用者の名前などの情報を雇用主に提供し、漏れがないか確認してもらう。雇用主が天引きした返済金を基金に送る仕組みだが、返済期日に遅れた場合は、雇用主に対して延滞料を課す。

     基金のマネジャー、チャイナロン・ガッチャパナン氏は「教育の機会を学生に提供するには原資が必要だが、政府に支援を仰ぐばかりでいるわけにはいかない。利用者も滞納額がかさみ突然、訴訟に直面するリスクを避けられる」と強調する。

     軍で働くエヤラック・トンカムさん(29)は、両親の負担を減らしたいと大学時代に33万バーツを借り、15年計画で返済中。「今きちんと回収しておかないと、後輩の学生が困ることになる」と新制度に賛成する。一方、長期滞納で基金に訴訟を起こされているという女性(40)は「実際問題、返済に回すだけの余裕が家計にないのに」と、頭を抱えている。

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