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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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逆襲の花巻東

’18センバツ 躍進の春/上 打撃力底上げに手応え 体重増やし筋力増強 /岩手

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屋内練習場で打撃練習に取り組む紺野留斗選手(中央)ら=花巻市松園町の花巻東高校で 拡大
屋内練習場で打撃練習に取り組む紺野留斗選手(中央)ら=花巻市松園町の花巻東高校で

 <第90回記念選抜高校野球>

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する花巻東の選手たちはこの冬、偉大な先輩たちが成し得なかった「日本一」を目指して鍛錬を積んできた。春に躍進しようとする打撃陣、投手陣それぞれの取り組みを紹介する。【三瓶杜萌】

 2月中旬。花巻東が関東遠征の拠点にした国士舘大グラウンド(東京都多摩市)には、トスした球を遠くへ飛ばすロングティー打撃の「カーン」という音が響き渡っていた。

 「腕が伸びきった状態でボールをたたいても力が伝わらないぞ。ムチのようにしならせないと」。佐々木洋監督(42)は選手たちの間を縫うようにして打撃フォームや打球を念入りに確認していた。選手たちも冬場に「食事トレーニング」やウエートトレーニングを積んで大きくした体で鋭い打球を放ち、手応えを感じていた。

 昨秋の東北大会決勝、聖光学院(福島)戦では、中盤で同点に持ち込み逆転の好機を再三作りながらも、あと1本が出ず敗れた。「相手投手に緩急をうまく使われ、打球が詰まったり飛球にされたりしてしまった」。選手たちは悔しさをにじませながら振り返る。

 全国の好投手と戦うためには、伝統の機動力に加えて、打撃力を底上げしなければならない--。センバツ出場が決まると、チームは決意を新たにした。「長打力がまだまだ足りない」。そう感じていた佐々木監督は、冬場の打撃練習でロングティー打撃を例年より多く取り入れた。特に成長を期待するのは、昨秋の公式戦で中軸を担った阿部剛士選手(2年)、小松平樹(たつき)選手(2年)の2人と、バットコントロールが巧みな上戸鎖(かみとくさり)飛龍選手(2年)だ。

 阿部選手は上体に頼りすぎる「手打ち」を克服するため、筋力トレーニングで下半身を強化した。2月の関東遠征では、打撃練習で野手の間を鋭く抜ける打球を連発するなど冬場の成長をうかがわせた。小松平選手はスイング後のふらつきを防ぐための体幹トレーニングに取り組み、「最後までバットを振り切れるようになってきた」(佐々木監督)。小松平選手とポジションを争う上戸鎖選手も、食事トレーニングで毎食最低5杯のご飯を平らげて体重を増やし、スイングスピードの向上を図ってきた。

 打線を引っ張るのは、昨秋の公式戦で4番としてチーム最多の2本塁打、10打点を挙げた紺野留斗選手(2年)だ。「無駄な飛球が多かった」東北大会の反省から、冬場は打撃練習中の姿をチームメートに確認してもらったり、目標とするプロ野球選手の打ち方を研究したりしてフォームを改善した。「持ち味のフルスイングを十分に発揮したい」。センバツでの飛躍を期す。

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