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藤井裕久氏

 「民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」である公文書の改ざんだ。学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書を財務省が国会答弁に合わせて書き換えていた。トップ官庁による前代未聞の不祥事は、行き過ぎた政治主導の末路か。国会をないがしろにした対応に野党は反発し、安倍晋三政権の屋台骨がきしむ。

吏道に反した政局協力 藤井裕久・元財務相

 私は政治家になる前、大蔵省(現財務省)に21年間在籍した。1971年に竹下登官房長官(後に首相)の秘書官を務めた際、長期政権だった佐藤栄作首相を降ろす動きがあった。ある時、竹下さんが私たち秘書官に対して、「これからは政治の話だ。『佐藤(首相)つぶし』の会合だから、君たちは知らない方がいい。もう帰っていいよ」と言ったことがある。政と官の間に明確な「けじめ」があり、それを政治家の方から言ってくれるのが筋だろう。

 私自身も役人時代、政策面で政治家の圧力を感じたことがある。例えば「減税をしろ」と言われるなどだ。もちろん、役人が政策を独りよがりで行ってはいけないし、政治家の言うことを聞かないといけないのは了解しているので、その通りに行動した。ただし、政策と政局は違う。その違いを知らなかったのが、財務省理財局長を務めた佐川宣寿(のぶひさ)氏とその関係者だったと思う。

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