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ハーグ条約

子の返還拒否、違法性判断 最高裁15日判決

ハーグ条約実施法に基づく子の返還手続き

 米国在住の父親が、息子(13)を連れて日本に帰国した母親に子の引き渡しを求めた人身保護請求の上告審判決が15日、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)で言い渡される。母親は、国境を越えて連れ去られた子の扱いを定めた「ハーグ条約」の国内実施法に基づく裁判所の返還命令に対して引き渡しを拒んでいる。最高裁は、この点が人身保護法の禁じる「違法な身体拘束」に当たるかの判断を示すとみられる。【伊藤直孝】

 ハーグ条約を巡っては、裁判所の返還命令を受けた親が子を返さず、引き渡しの強制執行にも応じないケースが相次いでおり、最高裁判決が注目される。

 同条約は、親の一方が、断りなく16歳未満の子を国外に連れ出した場合、残された親の求めがあれば、原則として子を元の国に戻さなければならないとするルールを定めている。日本は2014年4月に加盟。昨年10月までに98カ国が加盟している。

 今回の裁判は、米国で暮らしていた日本人夫婦が争っている。母親が16年に息子を連れて帰国し、米国に残った父親がハーグ条約実施法に基づき東京家裁に返還を請求。同家裁の返還命令に母親が応じず、執行官による強制執行に対しても子の引き渡しを拒否した。

 これに対し、父親側は人身保護請求の裁判(2審制)を起こした。1審の名古屋高裁金沢支部は昨年11月に父親側の敗訴とし、父親側が上告した。

 母親側は上告審で「息子は自らの意思で日本にとどまることを望んでいる」と主張している。

 外務省によると、2月までにハーグ条約実施法に基づく裁判で子の返還命令が確定したのは23件。うち6件は強制執行に至ったが、いずれも親の抵抗で返還に及ばなかった。実施法で、執行官は親子を無理やり引き離すことはできないとされている。手続きに詳しい弁護士は「日本で子の引き渡しが実現しにくい現状は他の条約加盟国で問題視されている」と指摘している。

 今回の人身保護請求について、仮に最高裁が「違法な身体拘束に当たる」と判断し、子の引き渡しを認めた場合、ハーグ条約の順守を求めるメッセージを帯びることになる。

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