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第103回全国高校野球選手権

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逆襲の花巻東

’18センバツ 躍進の春/下 肩甲骨の動き意識 体の機能、水泳で高め /岩手

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水泳トレーニングに取り組む投手陣ら=花巻市松園町の花巻東高校室内プールで 拡大
水泳トレーニングに取り組む投手陣ら=花巻市松園町の花巻東高校室内プールで

 <第90回記念選抜高校野球>

 「ヨーイ、ハイ!」 花巻東のセンバツ出場が決まって間もない1月下旬。学校の室内プールでは、投手陣が水しぶきを上げながら水泳トレーニングに励んでいた。この日は距離を泳ぎ体力をつけるメニューで、それぞれ25メートルプールを20往復ほど泳いだ。曜日によって、全力で1本泳ぎきる日などメニューが変わる。投手陣はこの冬、水泳トレーニングをはじめとした体の機能を高めるトレーニングを積み、センバツでの躍進を目指す。

 水泳トレーニングは投手の肩甲骨周りの可動域を広げようと佐々木洋監督(42)が2007年から取り入れた。毎年オフシーズンの10月から3月にかけて行い、肩甲骨の可動域を広げる他にも、基礎体力の向上や腹筋と背筋のバランスよい使い方を身につけるといった、体の機能を高める効果が期待できるという。バタフライなど肩を大きく回す必要のある水泳の動きは投球動作に直接つながらなくとも、体に「こんな動きもできる」とインプットすることで、肩甲骨の可動域が広がるからだ。

 「球速は肩甲骨の可動域と腕のリーチである程度決まる」。かつて菊池雄星投手(現西武)や大谷翔平選手(現米大リーグ・エンゼルス)を見た経験から、佐々木監督はそう言い切る。投手陣も「以前より肩甲骨の動きを意識して投げられるようになった」と手応えを感じている。

 体の機能を高める取り組みは多岐にわたる。1年生ながら最速142キロを投げ、昨秋の公式戦でも7試合に登板したプロ注目の右腕・西舘勇陽投手はこの冬、肩甲骨周りの機能トレーニングに重点的に取り組んだ。2月中旬の関東遠征では、菊池雄星投手のトレーナーからアドバイスを受け、チューブトレーニングをしたり移動中や練習の合間に重さ約20キロの棒状のトレーニング器具を両肩で担ぎ続けたりした。その結果「左右の筋肉量のバランスが整い、疲れにくくなった。イニング数をより多くこなせるようになると思う」と効果を実感している。

 機能トレーニングの他にも、投手陣は昨秋の公式戦で甘い変化球を打ち込まれたり、直球の伸びが今ひとつだったりしたことから、安定したフォームを作る下半身トレーニングに励んだ。制球力があり、カーブやチェンジアップで打ち取る左腕・平山涼太投手(2年)はスクワットでいきなり重い重量のバーベルを使ったり、軽い重量を何度も繰り返したりと工夫。足を前後に開くランジスクワットは今までよりも足の開きを意識して取り組んだ。佐々木監督は「松井裕樹(楽天)みたいな落差のあるカーブになってきた」と語る。

 内野手もこなす右横手投げの伊藤翼選手(2年)もこの冬、新たな変化球を習得。トレーニングの成果で下半身を使って腕を振れるようになったことから、直球と変化球のリリースポイントがあまり変わらなくなった。

 左右にタイプの異なる投手がそろう花巻東。1年秋からベンチ入りする左のエース・田中大樹投手(2年)は「投手陣一丸となって練習量を前年よりも増やしてきた。遠征試合で調子を上げ、本番に臨みたい」と闘志をみなぎらせている。【三瓶杜萌】

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