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しあわせのトンボ

「復興の思想」を=近藤勝重

 人間が生きていくためには、ものすごいいろんな物の協力がある。電車から降りて帰宅途中目にする風景や松の木一本だって自分の存在を支えてくれているんです。

 臨床心理学の第一人者だった河合隼雄氏が「対話する人間」でそういう趣旨のことを書いておられた。

 そうだなあ、とそのことを実感したのは、生まれ育った田舎の生家が跡形もなくなったときだ。長年兄夫婦が住んでいたが、事情があって売却した。所用で帰省した折、すでに空き地になっていた生家跡を目にし、受けたショックは大きかった。河合氏のおっしゃる「ものすごいいろんな物」の中でも生家というのは格別な物であろう。庭の松の木一本も目に浮かんで、思わず嘆息をもらした。

 いつもあるはずのものがないという違和感と喪失感。「3・11」の被災者たちが、家どころか古里と生活を丸ごと奪われ立ちつくしていたことを思うと、ぼくの精神的ショックなど比べようもあるまい。

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