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第94回センバツ高校野球

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第90回選抜高校野球

母、ラストバリカン 東筑球児と交流30年、引退

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石田投手(手前)を丸刈りにした長野順子さん=北九州市八幡西区東筑で
石田投手(手前)を丸刈りにした長野順子さん=北九州市八幡西区東筑で

 <センバツ高校野球>

 第90回記念選抜高校野球大会(23日開幕)に出場する東筑高校(北九州市八幡西区)の野球部員と30年以上交流を続け「おかあさん」と慕われてきた「きよみ理容館」店主、長野順子さん(69)が区画整理に伴い今月末閉店し、はさみを置く。14日夜「最後の大仕事」としてエース、石田旭昇(あきのり)投手や松山智乃助主将(共に2年)を丸刈りに。「このクリクリ頭が甲子園を駆け巡ると思うとうれしい」と目を潤ませた。

 野球部の練習が終わった14日午後8時過ぎ。石田投手と松山主将が同校近くの店を訪れた。笑顔で出迎えた長野さんは手際良くバリカンを滑らせ、丸刈りに仕上げた。

 登下校のたびに店に立ち寄り「甲子園でのプレーを見て」と話していた石田投手。「いつも通りの投球でいいんよ。焦らずに投げるんよ」。そう長野さんに声を掛けられ「丸刈りで心身ともにすっきりして、ようやく甲子園だなという気分。おかあさんのためにも勝って校歌を歌います」と誓った。

 松山主将も長野さんに親身に接してもらったことを感謝している。主将就任直後の昨秋「あんまり無理しなさんな。みんなと一緒に頑張ればいいんよ」と励まされ、その言葉を胸に大役を務めてきた。

 店は1987年に当時の野球部主将が訪れて以来、部員の「行きつけ」。甲子園出場のたびに、無料で全部員を数日がかりで丸刈りにして送り出してきた。店内には、部員たちがプレーする写真や甲子園出場のペナントなどが所狭しと飾られている。

 店の「最後の春」に最高のプレゼントとなった20年ぶりのセンバツ出場。甲子園に応援に行くつもりだという“東筑の母”は「こうして子供たちと過ごしてきた時間が宝物。会えなくなるのはさみしいけれど、私は世界一幸せだと思う」とほほ笑んだ。【木村敦彦】

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