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第103回全国高校野球選手権

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三重高野球のいま 2018春/中 全員練習チャンス平等 2学年100人の大所帯 /三重

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練習の合間に寮生や定本拓真主将との日記に目を通す小島紳監督=松阪市久保町の三重高で 拡大
練習の合間に寮生や定本拓真主将との日記に目を通す小島紳監督=松阪市久保町の三重高で
声をそろえてランニングする大所帯の野球部。全部員が同じ練習メニューをこなす=松阪市で、木葉健二撮影 拡大
声をそろえてランニングする大所帯の野球部。全部員が同じ練習メニューをこなす=松阪市で、木葉健二撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 三重高野球部には2年生57人、1年生38人、マネジャー2人の97人が所属している。入部希望者は例年40人程度だったが、2014年夏の甲子園準優勝を受け、県外からも入部希望者が増えた。2学年で約100人は全国屈指の大所帯だ。

 「レギュラーであってもなくても、同じ練習メニューをこなす」ことが部の鉄則だ。1年の部員は「先輩たちと同じ練習ができて刺激をもらえる。やる気にもつながる」と口をそろえる。小島紳監督(28)は「皆がレギュラーを目指せる環境でなくてはいけない。そのチャンスは平等に与えられるべきだ」との方針を打ち出している。

 小島監督は同じ梅村学園の中京大中京高(愛知)、三重大で野球部に所属し、教諭として三重高に着任した。高校時代、1年時からベンチ入りする主力捕手だったが、故障に悩まされ、控えに回った。その苦い経験があるから、控え選手の胸中は痛いほど分かる。

 「全員練習」を可能にしているのは恵まれた練習環境だ。同校が持っていたグラウンド1面に加え、13年に系列の三重中京大が閉校し、隣接する同大のグラウンド1面も使えるようになった。

 部員約100人をまとめるために工夫も凝らす。野球部の約半数は親元を離れ寮で生活する。13年にコーチとして着任した中村好治総監督(64)は「実家から通う選手は保護者から様子を聞けるが、寮生は大人の目が行き届きにくい」と寮生と監督との間で日記を始めた。以来、寮生は一日の出来事や食事内容などをノートにまとめ、毎日、監督に報告している。

 現在、野球部の寮は5軒ある。それぞれの寮で1冊用意され、寮生たちが順番に記入する。小島監督はノートを見て選手たちの健康状態や私生活を把握し、口頭で助言を送る。「練習中、何を感じたのか、グラウンドの外で、どう過ごしているのかを知るにはこのノートは頼りになる」と重宝している。

 定本拓真主将(2年)には専用のノートが1冊用意されている。練習後に欠かさず行う選手間ミーティングでの内容や、主将の目線で見たチームの課題などを報告している。定本主将は「ノートに書くことで頭の中が整理されるし、何よりチームをよく観察しようとする」という。

 小島監督は「この大人数をどう導いていくか。日々考えながら指導している」という。手探りの指導の中、選手と監督が共に成長を続けている。【森田采花】

〔三重版〕

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