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第103回全国高校野球選手権

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第90回センバツ 膳所/上 データ班・高見さん、野津さん 技術補うID野球 /滋賀

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膳所のデータ班の高見遥香さん(右)と野津風太さん=大津市で、森野俊撮影 拡大
膳所のデータ班の高見遥香さん(右)と野津風太さん=大津市で、森野俊撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 制服姿でパソコンやスコアブックを見つめるのは、膳所が今年度初めて募集した「データ班」の高見遥香さん(1年)と野津風太さん(1年)。野球は未経験で練習に参加せず、ユニホームも持たない2人だが、「選手たちの技術のなさを補ってくれる」(上品充朗監督)欠かせぬ存在だ。

 書道部と兼部の高見さんはプロ野球・広島カープのファン。「1番打者の田中広輔選手が塁にいる時、2番の菊池涼介選手の打率が上がるのが面白い」とデータに興味があった。一方、「野球にはそんなに興味がない」と話す野津さんは友人に誘われ、統計学にも関心があって入部した。

 2人は練習試合に同行し、グラウンドを198分割したエリアのどこに相手の打球が飛んだのか、走者やアウトカウント、球種など状況によって打球分布はどう違うのかを記録し分析する。このデータに基づいて選手が守備位置を調整すると、正面に打球が飛んでくることが多くなり、効率よく守れるという。

 昨秋の県大会でも相手打者に応じて守備位置を大胆に調整。左中間への長打性の当たりを左翼手が楽々と捕球する場面もあった。手塚皓己投手(2年)も「1度負けたら終わりの大会で思い切って投げられたのはデータが信じられるから」と話す。

 センバツ出場が決まってから、2人は強豪校を中心に試合映像を見てデータ収集を始めた。「甲子園常連校は流し打ちができるなど、1試合では分からないことが多い」(高見さん)と驚いたというが、「データを積み重ねれば徐々に傾向が見えてくることが分かり、もっと詰めていけば必ず試合で役立つ」と手応えも感じている。

 開幕が近付くにつれ、選手の練習と共に2人の仕事は増え、期待もかかる。高見さんは書道部の発表の準備にも追われているが「選手も野球と勉強を両立している。文武両道ができるということを甲子園で証明できるよう力になりたい」。野津さんは大学4年で学ぶプログラミング技術を滋賀大データサイエンス学部の准教授に教わるなど、今後のデータベース充実化にも力を入れており「他の学校にない武器を生かして勝ち進みたい」と意気込む。【森野俊】

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