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時代の波にもまれる日本企業や組織を描く「変革」第11部は、04年の球界再編問題から大きく変化してきたプロ野球のパ・リーグに迫る。

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第6部 伊藤忠商事/8 決意の巨額損失処理

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経営姿勢を説明する丹羽宇一郎=伊藤忠創業150年記念小史「峠越えの道」より
経営姿勢を説明する丹羽宇一郎=伊藤忠創業150年記念小史「峠越えの道」より

 「思い切ってやる。準備してください」。伊藤忠商事の最高財務責任者(CFO)だった藤田純孝(75)は、社長の丹羽宇一郎(79)から社内の損失を一括で処理するという決断を告げられた。伊藤忠は、バブル崩壊によって積み上がった不動産などの不良資産が経営を圧迫し、1997年度からの2年間でその処理のため1950億円の損失を出したばかりだった。

 しかし、「その後も不動産価格はどんどん下がっていった」(藤田)。不良資産と損失の発生に歯止めがかからず、伊藤忠は危機的な状況に陥っていた。一方で、一括で処理すれば再び巨額の赤字計上を迫られ、社の存廃にかかわるかもしれない。それでも丹羽は「20世紀の負の遺産は20世紀中に片付けたい」との思いを強く抱いていた。藤田も「土砂降りの中に出ていくリスクもあるかもしれないが、中期的に見ると社長の決断が正しい…

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