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社説

トランプ氏が国務長官解任 外交の揺れは危機を招く

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 なぜこの時期に、と首をかしげざるを得ない。トランプ米大統領は就任1年余りのティラーソン国務長官の解任を電撃的に発表した。

     両者の不仲は周知の事実とはいえ、長官のアフリカ歴訪中に大統領がツイッターで解任を発表するのは明らかに異常である。

     これに関連して、長官は解任理由を知らされていないとの声明を出した国務次官も解任された。強権政治を思わせる人事である。

     トランプ氏が米朝首脳会談の提案に応じる重大決定を下したのも長官のアフリカ歴訪中だ。これも長官の頭越しだった。

     北朝鮮への対応やイラン核合意などでティラーソン氏とは意見が異なり、後任に指名したポンペオ中央情報局(CIA)長官は「私と似た考えを持つ」。トランプ氏は新たな体制についてそう説明している。

     しかし、政治経験のないティラーソン氏をあえて実業界から国務長官に迎えたのはトランプ氏だ。ロシアでの経済活動の経験が豊富なティラーソン氏の起用は対露関係改善に有益と見たからだろう。

     ティラーソン氏の海外での評判は悪くない。国務省を代表して発言し、時にトランプ氏をいさめる役回りを演じた。そんな彼が重荷になってきたのは、むしろトランプ氏に責任があるのではなかろうか。

     国務省は軍備拡張のために外交予算を削られ、士気の低下が指摘される。2月にはナンバー3の別の国務次官が辞任を表明し、多くの重要ポストが空席のままになっている。

     危機的な状況と言えるが、米外交の最大の問題は、異論に耳を傾けず、異を唱える者は排斥するトランプ氏の姿勢にあるのではないか。

     ポンペオ氏は北朝鮮などに対し前任者より強硬な政策を打ち出すだろう。CIAの後任長官には女性のハスペル副長官が昇格する。が、トランプ氏の姿勢が変わらない限り2人の前途も明るいとは言えまい。

     米外交の揺らぎは危機を招く。近く河野太郎外相を訪米させ北朝鮮問題で意見調整を図りたい日本にとっても大きな損失になりかねない。

     トランプ政権は国務省が積み重ねた知見を生かして早く外交の安定を図り、万全の態勢で米朝首脳会談などの重要課題に臨んでほしい。

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