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余録

王の臣下には忠臣、功臣などさまざまなタイプがあるが…

 王の臣下には忠臣、功臣などさまざまなタイプがあるが、争臣というのもある。「天子、争臣七人あれば無道といえども天下を失わず」といわれる。つまり王に逆らってもその過ちを諫(いさ)める臣下のことである▲そんな争臣が7人いれば、王がよほどめちゃめちゃでも天下を失うことはないというのだ。「孝(こう)経(きょう)」という中国の書物にある言葉で、中国はもちろん日本でも臣下の苦言直言、すなわち諫争(かんそう)に耳を傾けるのが帝王学のイロハとされた▲さて「お前はクビだ!」の決めぜりふでのし上がったこちらの「帝王」、退任させた高官や側近はもう7人ではきかない。ついに政権ナンバー3の国務長官を解任し、メディアにまだクビになりそうな臣下が9人いると報じられた▲米朝首脳会談を前にしてトランプ米大統領による突然のティラーソン長官解任だった。長官も以前、大統領を能なし呼ばわりしていたから立派な“争臣”といえる。トランプ氏の独善外交を諫止してきた長官の国際協調外交であった▲直前に追加関税に抗議して辞任した国家経済会議委員長の行動も、国際貿易秩序の維持など眼中にない大統領への諫争だろう。一時の国内の人気とりで外交資産や経済秩序をめちゃめちゃにする愚はそれほどの賢臣でなくとも分かる▲争臣が去り、へつらう奸臣(かんしん)しか持たぬ王を待つ運命については自業自得(じごうじとく)と突き放したいが、そうもいかない。米朝会談でまみえる争臣なき2人の王の無道と暴走に左右されかねぬ東アジアの民の運命である。

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