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第94回センバツ高校野球

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センバツ・駒大苫小牧 第2部/上 「エース」競う4人 切磋琢磨、チーム引っ張る /北海道

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守備練習に参加する投手陣=札幌市東区で 拡大
守備練習に参加する投手陣=札幌市東区で

 <第90回記念選抜高校野球大会>

 「エースの座は譲らない」。2月10日、札幌市東区の北海道日本ハムファイターズ室内練習場。主戦の大西海翔投手(2年)に「背番号の重みについてどう思うか」とたずねると、引き締まった表情で即答した。

 その隣には鈴木雄也投手(同)と佐藤大善投手(同)が並び、異口同音に「自分もエースを狙っている」と語った。そして力を伸ばしている川口海生投手(同)を加えた3人が、大西投手のライバルだ。

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 大西投手は、もともと制球力には定評があったが、先輩3年生の層が厚かったこともあり、昨夏までは「6番手」の投手だった。佐々木孝介監督が「真面目で学業もトップクラス。エースとはこういうもの」と評価して主戦に抜てきしたが、自身は「自分でいいのか」と一時、不安になったという。

 それでも監督の期待に応え、昨秋の全道大会では安定した制球で相手打線を抑えて優勝を勝ち取った。一方、その後の神宮大会では強豪の大阪桐蔭に先行を許し、好投したものの4失点し敗れた。

 「このスタミナと球速では全国で勝てない」。そう痛感し、冬の間は練習にスケートを取り入れ、走り込みも強化。さらに球威がある「強い球」を投げられるようにするため、練習で投げる距離を3~4メートル延ばしてみたり、硬式ボールの代わりにソフトボールを用いたりするなど、さまざまな工夫を重ね、弱点克服を図った。

 その結果、荻田隼斗捕手(2年)によると「持ち前の制球力に加え、直球で攻める投球も身につけつつある」。冬の間に球速が速くなるなど、投球の質が上がったと「相棒」の進化を感じている。

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 球威や内角を攻める強気のピッチングが買われ大西投手より先に昨春、ベンチ入りメンバーとなったのが、中継ぎの鈴木投手だ。秋以降は課題の制球力を付けることに力を入れ、投球時にボールを手放す「リリースポイント」が徐々に安定してきた。その結果「試合中にボールが荒れる心配が減った」(荻田捕手)という。

 左腕の佐藤投手は、1メートル84センチの長身を生かした「角度と球威がある」投球が持ち味で、現投手陣の中では最も早く、1年生の秋にはベンチ入りした。それだけ実戦経験も豊富で、佐々木監督は「投手としての潜在能力は一番」と話す。

 佐藤投手は打撃にも強みを持つ。昨秋は地区大会と全道大会、神宮大会を通じて打率4割4分4厘を記録。今も投打ともに訓練を怠らない。

 そして急激に力を伸ばしてきたのが「もともとエース候補」(佐々木監督)の川口投手。昨秋の新チーム発足前に靱帯(じんたい)損傷のけがをし、最近まで治療とウエートトレーニングで体作りに専念してきた。「直球の切れや速さといった質が上がってきた」と佐々木監督も評価しており、やはり「エースへの意欲」を隠さずにいる。

 切磋琢磨(せっさたくま)する投手陣が、チームを引っ張っている。

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 23日に開幕する第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)を前に、最後の調整に励む駒大苫小牧ナインの「投打」や「走攻守」を追った。

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