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時代の波にもまれる日本企業や組織を描く「変革」第11部は、04年の球界再編問題から大きく変化してきたプロ野球のパ・リーグに迫る。

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第6部 伊藤忠商事/10 「か・け・ふ」で打倒御三家

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社長就任が決まり記者会見を開く岡藤正広=2010年2月15日、窪田淳撮影
社長就任が決まり記者会見を開く岡藤正広=2010年2月15日、窪田淳撮影

 「できれば1人か2人抜いていきたい」。2010年4月1日、社長就任初日に岡藤正広(68)は全社員に向けてメッセージを発した。伊藤忠商事は当時、最終(当期)利益で業界4位。上位3社を占める三菱商事、三井物産、住友商事の財閥系商社への「挑戦状」だった。

 伊藤忠は1990年代後半に巨額の損失を出しながらも、バブル崩壊によって積み上がった不良資産の一括処理を図った。しかし、04年に社長に就任した小林栄三(69)=現会長=は「手術はしたけど、出血は止まっていなかった」と当時の経営状況を語る。赤字を垂れ流す子会社の整理を進めるなどして、「会社のリハビリ」に全力を挙げた。

 原油など資源価格の上昇も追い風となって収益は右肩上がりとなり、「ポケットに手を入れてもほとんど金がない」(小林)という厳しい財務体質は着実に回復に向かった。成長が期待されるIT関連事業への投資などで将来の稼ぎを得るための布石も打ったものの、業界では万年4位を脱せずにいた。

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