連載

新・コンサートを読む

梅津時比古・特別編集委員の「コンサート」にまつわるエッセー。

連載一覧

新・コンサートを読む

二期会のワーグナー《ローエングリン》 名前を呼ぶことの意味=梅津時比古

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 そっと、好きな人の名前を呼んでみる。

 言葉の響きに沿い、世界がやわらかな色合いを帯び始める。感じたことのないような優しい空気に包まれる。

 言葉として長くはないのに、そして日ごろひんぱんに口にされるのに、名前は特別な意味を持つときがある。

 二期会がワーグナーの楽劇《ローエングリン》を上演した(2月21日、東京文化会館)。

 オペラの筋立てというものは、かなりの割合で、荒唐無稽(むけい)に感じる。そんなことが起こるの? あり得ないでしょう、と思うこともしばしば。

この記事は有料記事です。

残り952文字(全文1183文字)

あわせて読みたい