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太陽の塔

岡本太郎の熱 ここに

大阪万博開幕1カ月前、太陽の塔の前でポーズをとる岡本太郎=1970年2月

 「人類の進歩と調和」をテーマに、約6422万人が未来社会への夢を体感した1970年大阪万博。そのシンボルで万博記念公園(大阪府吹田市)に今もそびえる「太陽の塔」が、48年を経て生まれ変わった。内部に立つ「生命の樹」に配された生物群のオブジェが「再生」され、岡本太郎が込めた情熱と思想を改めてうかがい知ることができる。19日からの一般公開に合わせ、概要を紹介する。

    【岸桂子、藤顕一郎】

    太陽の塔 内部イメージ
    1.復元された「地底の太陽」。さまざまな色の照明で表情を変えたり、当時の地下展示をイメージする映像が投影されたりする=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    2.「生命の樹」の下部には、アメーバなど原生生物の造形が広がる=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    3.太陽虫やクラゲなどの造形=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    4.三葉虫時代部分の「生命の樹」=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    5.魚類や両生類の造形=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影

    「人間とは」突きつけ-再生プロジェクト指揮 平野暁臣さん

     岡本太郎が「太陽の塔」を構想した原型は「生命の樹」。樹木という形とらせんによる動線です。だから、内部空間には岡本太郎の思想や情熱などすべてが詰まっているのです。

     これを現代にどう見せるのか。古いモノが壊れたから直す「修理」でも、全部作り替える「再創造」でもない。僕は、その間を取って「再生」を目指しました。基本構造はそのままに、照明など細部の演出、個々の生物造形の表情などは現代の最新技術を生かしました。

     生命の樹は、生物の進化の過程を視覚化したもの。アメーバなど原生生物の時代から始まり、上は我々の祖先、クロマニョン人の哺乳類で終わっています。「単細胞が下等で人間が一番上」と言いたかったわけではありません。むしろその逆。「足元を、生命の根源を見よ」と訴えている。だから階段(当時はエスカレーター)で下を見下ろせる構造にしています。太郎は、生命の樹全体が一つの生命体であり、太陽の塔の血流なのだと言いました。

     魚類や恐竜など、個々の生物造形は鑑賞者と目を合わせる向きに変えたり、手足や表情に躍動感を加えたりしました。その一方で、当時のままで残っていたゴリラは、半世紀近い時間経過を表すため、頭部に内蔵された電動モーターがむき出しのままで展示。最上部にいるのはクロマニョン人。なんと小さいことか。服を着た我々は立つことさえ許されなかったのです。

     48年前、この内部展示が来場者に理解されたとは思いません。高度成長期の当時、人々の関心はロボットや月の石、未来であり、足元なんて見向きもしなかった。でも今なら分かります。自分たちの足元を見直し、「人間とは何か」と向き合わざるを得ないことが。「太陽の塔」が仕事をするのはこれからなんですよ。(談)

    6.は虫類時代の恐竜などの造形=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    7.上方から見た「生命の樹」=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    7.「生命の樹」の上部にあるゴリラの造形。頭部が壊れ、内部の電動モーターが見える=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    8.「生命の樹」の最上部にあるクロマニョン人の造形=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影
    9.太陽の塔左腕部分は照明の色が変化する。万博当時は壁に覆われ見ることができなかった=大阪府吹田市で、幾島健太郎撮影

    見学 公式サイトで予約

    万博記念公園(大阪府吹田市)

     「太陽の塔」内部の見学は予約が必要で、申し込みはインターネットの専用サイト「太陽の塔オフィシャルサイト」から。4カ月先まで予約が可能だが、建築基準法の規制で1回に上れる人数が制限されるため、入場者は1日で最大1120人。大阪府日本万国博覧会記念公園事務所によると、平日は5月以降は空きがあるが、土日は7月上旬まで埋まっているという。

     入場料は高校生以上700円▽小中学生300円▽小学生未満無料。万博記念公園の入園料(高校生以上250円、小中学生70円、小学生未満無料)が別途必要。高齢者や障害者など階段の利用が難しい人向けに、エレベーターが備えられている。

     問い合わせは、「太陽の塔」入館受付(0120・1970・89、06・6155・5601)。

    内部が一般公開される太陽の塔=大阪府吹田市で、小型無人機で加古信志撮影
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