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中村桂子・評 『AIvs.教科書が読めない子どもたち』=新井紀子・著

 (東洋経済新報社・1620円)

 タイトルの中にAIを巡るこれからの社会のありようが凝縮されている。読み終ると、今何が問題であり、何をすれば人間が人間として生きる社会をつくれるかがかなりよく見えてくる。なんとも気持のよい本だ。

 囲碁や将棋のプロにコンピュータソフトが勝ち、AIは人間の能力を超えるとか、近い将来、ほとんどの仕事はAIにとって代られるなどと言われる。けれども、ゲームでビッグデータを背後にもつコンピュータが勝ったからと言って、ルールなどない日常でAIが優位に立つと言えるのだろうか。そもそも人間の能力とは何かがわからないのにそれを超えるとはなにをさすのだろうなど、素朴な疑問をもっていた。

 それに本書はこう答える。まず現在「真の意味のAI」は存在せず、「AI技術」があるだけなのに、後者を人々がAIと呼ぶための混同がある。実は、現在のAI技術が人類を滅ぼすことはない。しかも、シンギュラリティ(真の意味のAIが自律的に自分より能力の高い真の意味のAIをつくる地点)は本質的に来ない。これは数学者として断言できると著者は言う。ここでも以後のAIという文字はAI技術をさしておりシンギュラリテ…

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