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『西郷隆盛はなぜ犬を連れているのか』=仁科邦男・著

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 (草思社・1620円)

 大河ドラマに明治維新150年が重なった今年、西郷隆盛の関連書籍の出版が相次ぐ。おまけに戌(いぬ)年だ。便乗本かとうがってしまうが、数ページめくればそんな先入観は吹き飛んでしまう。考証的で濃密な内容。これから幕末、維新を舞台になにがしかを描きたいと志す者にとって、基本文献の一つになろう。

 よく知られている隆盛と犬のエピソードに、隆盛が京都・祇園の茶亭に犬を相伴したという話がある。資料を渉猟し、司馬遼太郎らも頼った証言録の誤りを指摘し、犬種はもちろん、その場にいた芸者の名前をも正す。さまざま孫引きされているだけに、その影響は小さくない。新発見もある。西南戦争後、弟従道が犬探しの新聞広告を出していた事実を掘り起こす。兄隆盛の愛犬だったのか……。小説、ドラマの小ネタ満載。

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