オープン戦 エンゼルス6-18ロッキーズ(2018年3月16日 テンピ)
エンゼルスの大谷翔平投手(23)の開幕メジャーが危うくなってきた。16日(日本時間17日)のロッキーズ戦に先発し、いずれもキャリアワーストタイの1回1/3降板、7失点。2回に2本塁打を許すなどつかまり、予定の75球に満たない50球で降板して初黒星が付いた。実戦4試合全てで失点。ビリー・エプラーGM(42)は開幕マイナーの可能性に含みを持たせた。
大炎上を踏まえ、マイク・ソーシア監督の会見では大谷の処遇に注目が集まった。
投打二刀流の軸を「投手」と言ってきた。だがこの日、初めてメジャーの打者と本格的に対戦した試合で2回も持たなかった。開幕メジャーへの競争は激しく、クラブハウスから日に日に選手が減る中、4試合8回1/3で17失点というマイナー契約の招待選手をどうするのか。指揮官は「聞く人間を間違っている」と言及を避けた。
聞くべき人間--エプラーGMは地元紙ロサンゼルス・タイムズに、開幕25人枠入りをまだ確定させていないと答えた。「今すぐ判断を下すのは早すぎる」。期待の大きさからすれば自然に思えたメジャー開幕が、米メディアなどには不自然と捉えられ始めている。
相手が昨季ナ・リーグ打率1位のロッキーズとはいえ、内容が悪かった。初回は移籍後最速の98マイル(約158キロ)を連発し無失点だったが、2回に一変。先頭デスモンドに一発を浴び、死球や連打でさらに3点を与えた。とどめは15、16年打撃2冠のアレナドの3ラン。降板後はブルペンで修正を急いだ。
乱れた2回を「1イニング目より腕を振っていなかった。1人目に対して。前回も回の入りは良くなかった」と振り返った。デスモンドへの初球が内角に抜け、2球目は外角に引っかけ、2ボールから3球目の真ん中直球を強振された。日本ハム時代はできた攻撃中のベンチ前キャッチボールができない。初登板でも2イニング目の先頭打者に被弾した。ベンチ裏でのネットスローでは足りないのか。
分析としてもう一つ、「フォークボールの投げ損じが多い。ちょっと引っ掛けて、計算できていない」ことも挙げた。日本ハム時代は直球とともに軸となる球だったが、この日は50球中2球。滑りやすい公式球の扱いに苦しんでいる様子だ。
米メディアから大谷にも「開幕マイナーの覚悟はあるか」と質問が飛んだ。「しっかり自分の形を出していければ。その延長でどうなるかは監督やスタッフが決めること」と返した。「不安なく入るシーズンは今までもなかった。一つでもつぶしながら開幕に向けていければ」。3.9までもう2週間もない。(スポニチ)