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第94回センバツ高校野球

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富山商創部100年 OB センバツ初出場時の捕手、大井則男さん 感動与えるプレーを /富山

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「新たな伝統を作ってほしい」とエールを送る富山商野球部OBの大井則男さん=富山市で、鶴見泰寿撮影 拡大
「新たな伝統を作ってほしい」とエールを送る富山商野球部OBの大井則男さん=富山市で、鶴見泰寿撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

 昨年まで富山商軟式野球部の監督を務めた大井則男さん(73)=富山市新庄町=は富山商野球部OB。同校がセンバツに初出場した1963年の第35回大会で捕手として甲子園の土を踏んだ。2007年の全国高校軟式野球選手権大会ではチームを準優勝に導き、昨年も全国大会出場を果たしたセンバツの先駆者は、創部100年の節目に夢舞台に立つ後輩の活躍を心待ちにしている。【鶴見泰寿】

 55年前のセンバツ開幕試合の日大一高(東京)戦。大井さんは、エースの丸山隆男・元巨人投手や、現富山商の前崎秀和監督の父豊作さんらと、6万人の観衆で埋まった球場のグラウンドに立った。途方もなく大きいすり鉢の底にいる感じがして「緊張、興奮、勝利への執着心などが複雑に入り交じり、試合はあっという間に終わった。最後まで気持ちと体が一致しなかった」という。

 忘れられないのは、1点を追いかける八回表。大井さんは死球を受けた後、三塁まで進塁。1死満塁の好機で、丸山さんの痛烈な打球が投直となり、本塁を狙った大井さんは併殺となった。その裏に加点され0-2で初戦敗退。「同点にしたい一心でホームに突っ込んだが、動かなければ2死満塁でチャンスは続いた。冷静に状況を判断すべきだった」と悔やむ。

 2006年に軟式野球部の監督に就任すると「攻めの野球」に徹した。モットーは「3球以内に試合を動かす」。打者には初球からバットを振ることを求め、走者がいれば3球以内に盗塁かヒットエンドランの指示を出した。無類のバント嫌いで、代わりに足元にたたきつける打法を徹底させた。「バントはアウトになる確率が高い。地面にたたきつければ、相手に捕球されるまでに安打にできるかもしれない」。07年の全国準優勝は「攻めの野球のたまものだった」と振り返る。

 こうした経験を踏まえ、今の富山商ナインには「平常心にさせるため、強い気持ちで臨め」と説く。「甲子園で興奮しない選手はいない。『やったるわい』との気迫が自分を取り戻す」からだ。最大限実力を発揮するには「がむしゃらに感動を与えるプレーを心掛けることが一番重要」で、「どんな強豪校の選手も所詮は同世代。創部100年の伝統に新たな1ページを作るのは君たちだ」と力強くエールを送る。

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