第３部　伊万里センバツナイン／１８止　大浦健太郎外野手（３年）　祖母への約束果たした　／佐賀

　＜第９０回記念選抜高校野球＞

　昨夏、祖母を肺がんで亡くした。いつも試合の話をうれしそうに聞いてくれる優しい祖母だった。見舞いに行った時、大浦選手の顔を見ても声を聞いても誰だか分からないほど衰弱していた。手を握ると「健太郎」と言い、ようやく気付いてくれた。

　早くに夫を亡くし、「じいちゃんのために生きる」と言っていた祖母は、病気も一切せず、いつも自転車で買い物に行くくらい元気で力強い人だった。そんな祖母の変わり果てた姿に頭が真っ白になり、思わず「甲子園に行くから」と言葉に出していた。祖母が逝って約半年後、約束したことが現実となった。

　外野手として守備範囲を広くして後ろにそらさない守備を心がける。「今度は自分がおばあちゃんのために生きていくから」。祖母にそう伝えられるよう、自分らしく、元気で思い切ったプレーをするつもりだ。【池田美欧】＝おわり

　▽右投げ右打ち▽伊万里市立啓成中出身▽身長１６７センチ、体重６３キロ▽趣味は絵を描くこと▽将来の夢は建築士▽チームでは、絵が上手で、数学を教えてくれる面倒見の良い存在