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「睡眠サイクル」見直しを

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 春、新生活のスタートを迎える季節がやってきた。この時期、生活で見直してほしいのが「睡眠サイクル」だ。特に、夜更かしや深夜勤務に慣れてしまっているのに、就職や職場異動で春から朝型生活をしなければいけない、そんなあなたは要注意だ。

 ●体内時計に乱れ

 どうすれば睡眠サイクルを正常化することができるのか。睡眠医療に詳しい国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神生理研究部の三島和夫部長に聞いた。

 人間の体には、1日周期でリズムを刻む体内時計があり、正常に働いていれば、日中は体や脳の働きが活発になり、夜間は休息状態に切り替わって自然な眠りに導かれる。これが乱れると、朝起きられなかったり、夜の寝付きが悪くなったりと、睡眠サイクルが崩れる。

 特に大きな環境変化を迎え、生活習慣を急に変えてしまった現役世代は、睡眠を見直したい。そもそも幼少期は早寝早起きだとしても、20~30代になると、体内時計が遅れがち。三島さんは「体内時計は放っておくと夜型に傾く性質がある。毎日朝の光を浴びて巻き戻す必要があります」と話す。

 ●夜のスマホ注意

 学生時代に勉強や遊びでつい夜更かししたり、仕事で深夜勤務を続けていたり。そんな生活から朝決まった時間に出勤し、日中フル稼働しなければいけない生活に変わるとしたら--。春先、「睡眠・覚醒リズム障害」と診断される若者が多い。決まった時刻に寝て、目覚めることができない▽無理に起きても、日中、眠気や頭痛・倦怠(けんたい)感・食欲不振に悩まされる--といった症状が見られ、ひどくなると、退職・休職を余儀なくされることもあるという。

 三島さんは「睡眠習慣の改善には約3週間かかります」と強調する。心がけたいのが朝の日光を30分から1時間は浴びること。うつむいた状態はダメ。目の網膜が光を感じることが重要で、朝起きたらカーテンを開けて窓に真正面から向かうように意識して、光を取り入れよう。

 夕方から深夜に浴びる光は体内時計を遅らせる。夜に人工照明の光、特にLED(発光ダイオード)ライトやスマートフォン、パソコン画面が発するブルーライトを浴びるのは避けたい。

 ●「寝だめ」は厳禁

 そして最も大切なのは、休日の「寝だめ」は厳禁、ということだ。「寝だめが平日の疲れ、抑うつ状態を生み出すのです」(三島さん)というから怖い。週末に起床時間が遅れ、体内時計が狂うことで時差ぼけに似たような状況「ソーシャル・ジェットラグ」が生じる。この体内時計を元に戻すにはまた3週間かかるのだ。どうしても週末の眠気に悩まされる場合は、朝はいつも通り起きて、昼寝を20~30分する形で乗り切ろう。

 「すぐ眠れる、どこでも眠れる」という人も危険。「睡眠が充足している人は寝付くのに10~15分かかる」という。つまり慢性的に睡眠に問題を抱えている証拠だ。睡眠時無呼吸症候群の患者の中にも、眠い状態が日常となるあまり、「眠気を感じない」と真顔で答える人がいるという。

 三島さんは「眠気で判断してはいけない。日中はコーヒーや栄養ドリンクで何とかやり過ごせる、という人こそが危険! 実は体が悲鳴を上げている」と注意する。「間違った睡眠習慣は、心臓病、糖尿病、精神疾患などあらゆる病気のリスクを増大させる。ぜひ今のうちに睡眠を見直して」と呼びかける。【中川聡子】

眠り誘うリラックス体操

 心身ともに疲れ切っているのに、なぜだか眠れない--。そんな経験はないだろうか。

 現代人はストレス過多で労働時間も長く、無意識のうちに体の緊張状態が続きがちだ。これが不眠の原因にもなる。そこで三島さんが勧めるのが、体をリラックスさせ緊張を解く体操「筋弛緩(しかん)法」だ。

 基本姿勢は、椅子の背もたれによりかからず、浅く腰掛け、両足を肩幅程度に開く。膝の角度は90度で、足の裏は床につける。

 体の各部で、5秒力を入れて、すとんと力を抜き、15秒以上緩める。力を抜くときは、息をゆっくり深くはき出そう。体を緩めている感覚を意識するのがポイント。手や体があたたまるのが感じられる。

 眠くなったら、やめて横になるとよい。

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