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米国

鉄鋼輸入制限を発動 中国が報復準備

 米トランプ政権は23日未明(日本時間同日午後)、米通商拡大法232条に基づき、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限を発動した。国内の鉄鋼・アルミ産業の衰退が「国家の安全保障上の脅威になる」として、一部の例外国を除き、鉄鋼は25%、アルミは10%の追加関税を課す。米政府は22日、カナダ、メキシコに加え、欧州連合(EU)や韓国など計7カ国・地域を輸入制限の対象から除外すると表明した。日本は適用除外国に含まれていない。今後の協議で、適用除外国が最終的に確定する。【片平知宏、ワシントン会川晴之、北京・赤間清広】

 米国の通商拡大法232条に基づく輸入制限は1982年以来、36年ぶり。鉄鋼の過剰生産の震源地である中国は、米国の輸入制限に対して報復措置を公表。対決姿勢を示しており、トランプ政権の保護主義政策は「貿易戦争」に発展する恐れがある。

 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、22日開かれた上院財政委員会公聴会で、北米自由貿易協定(NAFTA)を再交渉中のカナダとメキシコに加え、オーストラリア、EU、アルゼンチン、ブラジル、韓国の計7カ国・地域を当面、輸入制限の対象から除外すると説明。国別除外の最終決定は4月末ごろになるとの見通しを示した。

 日本は除外国として言及されなかったが、ライトハイザー氏は日本と2国間の自由貿易協定(FTA)の締結に向けた協議を始めたいとの意向を示した。

 日本政府は「同盟国である日本からの鉄鋼やアルミの輸入が米国の安全保障に影響することはない」と主張し、輸入制限の対象から除外するよう求めていた。世耕弘成経済産業相は23日の閣議後の記者会見で「日本も対象になる形で発動されるのは極めて遺憾」と述べた。

 今回の輸入制限では、米国内で生産できない製品などを対象にした製品別の除外措置も設けられており、日本政府は製品別除外で国内産業への影響を抑えたい考え。

 ライトハイザー氏は韓国の適用除外について「米韓FTAの再交渉をしているため」と説明し、輸入制限を2国間交渉の材料とする姿勢を示唆。今後の国別除外交渉を巡って日本政府は日米FTA交渉への対応を迫られそうだ。

 一方、中国商務省は23日、トランプ政権による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に対抗して、一部米国製品の輸入関税を最大25%引き上げる対抗措置を準備していると発表した。

 ワイン、果物、一部鋼管製品など120品目に15%、豚肉など8品目に25%を課す。対象品目の2017年輸入額は計30億ドル(約3200億円)にのぼる。米国が鉄鋼・アルミの輸入制限撤回などに応じない場合、まず120品目への15%の関税を発動し、その後の交渉でも事態を打開できなければ、8品目への25%の関税上乗せを実施する。同省報道官は「対話と協議を通じ可能な限り早期に問題を解決し、中米関係を損なう事態を避けるよう要請する」と強調した。

 一方、中国商務省は同日、米通商法301条に基づく対中制裁に関し「保護主義的で一方的な措置に強く反対する」とする談話を発表。「中国は貿易戦争を望まないが、戦いを恐れることはない。正当な利益を守るため必要な措置を講じる」と新たな対米制裁の発動も強く示唆した。

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