第90回選抜高校野球
1回戦 英明、粘り最後まで あと1本、健闘に拍手 /香川
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<センバツ2018>
第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は23日開幕し、英明は第2試合で国学院栃木(栃木)と対戦した。序盤に先制されて苦しい展開となったが、中盤に追い上げて粘りを見せた。最終回もサヨナラの好機をつくったがあと1本が出ず、2-3で惜しくも敗れた。英明の春の1勝は次回に持ち越された。試合後、最後まで諦めずに戦った選手たちをたたえ、スタンドから拍手と声援が送られた。【潟見雄大、大谷和佳子】
国学院栃木
102000000=3
000200000=2
英明
1点を追う九回裏、2死一塁で打席には田中陸選手(3年)。「絶対に4番につなぐ」。変化球に詰まったが振り抜いた打球はセンターの前に落ち、2死一、三塁とサヨナラの好機を演出した。打席には千原凌平主将(3年)。スタンドからは「まだここから」「サヨナラだ」と大声援が飛ぶ。しかし三振に終わり、英明ナインのセンバツは終わった。
初回、死球で出した走者を安打と失策で本塁に還されてしまう。三回にも3安打を浴び、3点を追いかける苦しい展開。中村太陽捕手(3年)は、先発した黒河竜司投手(2年)について「序盤は変化球の制球が甘かった」と振り返る。
英明は四回、1死満塁の好機をつくり、打席には山下鳴海選手(3年)。「打線の中ではつなぎ役。形よりも得点を挙げること」ときっちり四球を選び、まず1点を返した。
続く中川文太選手(3年)は「自分のミスで点を取られてしまった。絶対に取り返す」。ストレートを狙い打ち、投手強襲の内野安打で1点差に詰め寄る。スタンドで見守った父博文さん(48)は「序盤は緊張しているように見えたが、1本出て安心した」とほっとした表情を見せた。
黒河投手は「リリース時に力を込めて変化球が決まりだした」と、四回以降は本来の投球を取り戻した。スタンドの香川純平コーチも「やっと黒河らしい投球になってきた」と話した。
しかし中盤以降、相手の継投に好機をつくれず、最後まで追いつくことはできなかった。試合後、一塁側の英明スタンドからは「よくやった」との声援が飛んだ。応援していた野球部員の三好龍之介さん(2年)は「勝てる試合だっただけに悔しい。夏にまた絶対戻ってくる」と前を向いた。
校長は神出鬼没
○…英明スタンドには、試合中に観戦場所を移動することが多く「神出鬼没」とされる真部卓一校長の姿も。「一つの場所にじっとしているのが苦手なんよ。動き回ると、いろんな人が応援してくれているのが見られる」と笑う。2005年に野球部を創部した時から甲子園出場の全試合を観戦している。今回は試合前日の夕食後、宿泊先のホテルで「自分のええところで勝負せい。欠点が多くても気にすることじゃない」と選手たちを送り出した。
OB盛り上げる
○…英明のアルプススタンドでは今春卒業した野球部のOB8人が黄色いメガホンを手に応援を盛り上げた。神戸市内の大学に進学する浜垣夢我(ゆうが)さん(18)は2016年秋の四国大会に出場して4強入りしたメンバー。しかしセンバツには出場できず、「自分たちは一歩手前で甲子園を逃した。羨ましい気持ちもあるが、後輩には勝ってもらいたい」と応援団長を引き受けた。この日は「英明らしく打ち勝つ野球をしてほしい」と願い、四回に2点を奪うと仲間と飛び上がって喜んだ。
地元から熱いエール 高松で市民らPV
高松市中心部の瓦町フラッグで23日、英明の戦いぶりを大型スクリーンに映し出すパブリックビューイング(PV)があった。大西秀人市長も駆けつけた会場には地元のファンが集まり、甲子園に向けて声援を送った。
8階多目的スタジオに92インチのスクリーンが設置された。先発した黒河竜司投手(2年)が三振を奪ったり、英明に点が入ったりすると拍手や歓声が起きた。
高松市高松町の横田吉敏さん(72)は「高校野球が好きで応援している。黒河君は地元が近いので頑張ってほしい」。同市中野町の山口直子さん(65)も「大きな画面でみんなで応援すると楽しい。勝ってほしい」と祈るように見守っていた。【山口桂子】
実力つけて夏に再び 千原凌平選手(3年)
中学時代、主将として夏の全国大会に出場した。しかし引退後の10月、右膝に良性腫瘍が見つかった。12月末に手術で取り除き、約1カ月半は足を地面に付けることもできず、病院のベットで寝たきりだった。立てるようになっても、練習はおろか歩くこともままならず、英明の入学直前までリハビリが続いた。
入学後も他の選手とは別メニューで調整した。「入院中は野球ができるようになるか不安で仕方なかった。つらい練習も多かったが、野球ができるだけで幸せ」。絶対に甲子園に行く、との強い思いから打撃でアピール。1年秋からレギュラーに定着し、新チームでは主将に指名された。
しかし昨秋の大会では4番を任されながら打率2割8分、1打点に終わった。「打席で狙い球を絞りきれず、打ち急いでしまった。(エースの)黒河が頑張っているのに申し訳なかった」。冬場は狙い球を絞れるよう、タイミングの取り方を変えた。高校通算25本塁打を放っているが、「長打を狙うのではなく、単打の延長が本塁打」と意識も変えた。センバツ直前の練習試合で結果を出し、香川智彦監督から「1番状態の良い打者」と送り出された。
この日、ノーヒットのまま九回に打席が回ってきた。2死一、三塁で同点のチャンス。スタンドは一番の盛り上がりを見せたが、結果は空振り三振。試合後、「狙い球を絞ったが打てなかったのは実力不足。夏までに力をつけて甲子園に帰ってくる」と上を向いた。【潟見雄大】
夢の舞台、足並みそろえ 開会式
英明の選手は開会式で堂々と入場行進した。約1万7000人の観客が見守る中、プラカードを持った藤田悠マネジャー(3年)、センバツ旗を持った千原凌平主将(3年)を先頭に29番目に入場。山上慎太朗選手(2年)の「イチ、イチ、イチニー」という掛け声に足並みをそろえた。校名がアナウンスされるとスタンドから拍手が起きた。スタンドから見守った横岡伶選手(2年)の母亜紀さん(37)は「小さい頃から甲子園に出たいと言っていたので夢がかなってよかった」と話した。
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