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「無風」の行く末

18エジプト大統領選/上 治安改善、自由は… 「国が安定するまで我慢」

自身の作品中で2011年の革命を「予言」したと評される映画監督のユセフさん=カイロで2018年1月16日、篠田航一撮影

 エジプト人映画監督ハリド・ユセフさん(53)は2009年、映画「シェハタの店」を製作した。兄弟間の愛憎を描いた人間ドラマだが、本筋とは別のシーンがその後話題になった。戒厳令が敷かれ、戦車が市街を走る。そんな場面が「11年の革命を予言していた」と評されたのだ。

 「上映当時、エジプトでこんなことは起きないと笑われた」。首都カイロの撮影スタジオ。機材を搬入するスタッフを横目に、ユセフさんは振り返る。「でも現実はその通りになった。常に世界は動くのです」。ムバラク政権は11年の民主化要求運動「アラブの春」で崩壊。カイロには戦車が展開し、夜間外出禁止令も出された。

 政変はその後も続く。現在のシシ大統領は国防相時代の13年、イスラム組織「ムスリム同胞団」出身のモルシ大統領をクーデターで追放し、14年の大統領選に初当選。以来、反政府的なジャーナリスト、人権活動家らを次々に拘束し批判を抑え込んでいる。国連人権高等弁務官事務所は昨年「シシ政権は組織的に市民社会を沈黙させている」と批判した。

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