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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第90回選抜高校野球

聖光学院5-3東筑 聖光学院、伝家の小技

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 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

第1日(23日・阪神甲子園球場)

 ○…1回戦…○

 ▽午前10時32分開始(観衆1万9000人)

聖光学院(福島)

  110010002=5

  201000000=3

東筑(福岡)


 2度リードを許した聖光学院が接戦を制した。東筑・石田の外角へのスライダーに苦しめられながらも、同点の九回1死二、三塁、横堀のセーフティースクイズ(記録は内野安打)で勝負を決めた。先発・上石ら3投手の継投で、四回以降は連打を許さなかった。東筑は2点を追う九回1死一、二塁で田中が遊直併殺に倒れた。

 ■白球を追って

九回、5割打者スクイズ

【聖光学院-東筑】九回表聖光学院1死二、三塁、横堀が適時内野安打となるセーフティースクイズを決める=阪神甲子園球場で2018年3月23日、猪飼健史撮影
【聖光学院-東筑】九回表聖光学院1死二、三塁、横堀が適時内野安打となるセーフティースクイズを決める=阪神甲子園球場で2018年3月23日、猪飼健史撮影

 同点の九回1死二、三塁。聖光学院の2番・横堀は打席に入る前、斎藤監督にセーフティースクイズの可能性を告げられた。「心の準備はできていた」と冷静だった。一方、味方の失策でピンチが広がっていた東筑のエース・石田は「余裕がなかった」。対照的だった。捕手・北村は外角を要求したが、少し内へ。「一塁側に転がせば三塁走者を還せる」と横堀は狙い通り、決勝のスクイズを決めてみせ、敵失も誘って2点を奪った。

 伝統的に手堅い野球を身上としてきた聖光学院だが、昨夏の甲子園ベスト16、昨秋の東北大会初優勝はいずれも打ち勝って成し遂げた。昨秋の公式戦のチーム打率3割8分9厘は出場校中4位で、例年になく厚みのある打線でセンバツに臨んでいた。しかし、この日は六回以降、3人ずつで攻撃が終わり、思うような流れを作れていなかった。

 斎藤監督は八回から考えを変えていた。「本来の聖光の堅い野球をやる」。強攻したい気持ちを抑え、バントで好機を広げる作戦に切り替えると、九回1死一塁、田野のセーフティーバントが敵失を誘って二、三塁となり、勝ち越しの舞台を整えていた。

 決勝スクイズを決めた横堀は昨秋はチーム一の打率5割超をマークしていたが、「(強打より)つながりのチーム。自分たちの野球ができた」と自負する。小技という伝家の宝刀が大舞台で生きた。【佐野優】

エース支え粘投

【聖光学院-東筑】聖光学院3番手投手の高坂=阪神甲子園球場で2018年3月23日、猪飼健史撮影
【聖光学院-東筑】聖光学院3番手投手の高坂=阪神甲子園球場で2018年3月23日、猪飼健史撮影

 ○…聖光学院の3番手・高坂が粘投した。エースの衛藤に代わって七回から登板した左腕は要所でスクリューを投げ、打たせて取った。2点リードの九回は1死一、二塁のピンチを迎えたが、伝令に来た衛藤から励まされ「吹っ切れた」。直球を投げ込み、遊直併殺に仕留めた。昨秋の東北大会での投球は1イニングのみ。けが明けの衛藤が奮闘し「情けない気持ちだった」。ようやくエースを支えられ、「衛藤の思いに応える投球ができた」とうれしそうだった。


 ■春きらめく

成長と課題の104球 石田旭昇(あきのり)投手=東筑・3年

【聖光学院-東筑】力投する東筑先発の石田=阪神甲子園球場で2018年3月23日、森園道子撮影
【聖光学院-東筑】力投する東筑先発の石田=阪神甲子園球場で2018年3月23日、森園道子撮影

 右足を目いっぱい投手板の左端に置き、横手から両コーナーへ投げ続けた。だが、九回に味方のミスが絡んで失点し、降板。「甘さが出た。チームも自分も」。悔しさを押し殺すかのように唇をかんだ。

 昨夏の甲子園1回戦では2年生エースとして先発した。しかし、相手の長打を警戒するあまり内角を思い切って突くことができなかった。10安打を浴びて八回途中10失点で降板。雪辱を誓って一冬を過ごしてきた。

 この日は序盤こそ球が浮いたところを狙い打たれて失点したものの、中盤以降は修正。得意のツーシームを多用し、「開き直った」と積極的に内角も攻めた。本人も「ある程度成長したところは出せたかな」と語る。

 それでも、甲子園で歌う勝利の校歌はまたもお預けとなった。「野球の神様が、全国で勝つにはまだ足りない、と言っているんだと思う。勝たせる投球を追求したい」。成長と課題の詰まった104球だった。【倉沢仁志】

悔し適時二塁打

【聖光学院-東筑】一回裏東筑1死二塁、和久田が左翼線適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月23日、久保玲撮影
【聖光学院-東筑】一回裏東筑1死二塁、和久田が左翼線適時二塁打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月23日、久保玲撮影

 ○…東筑は終盤まで食らいついたが、勝利には手が届かなかった。「強い聖光学院に挑戦者の気持ちで攻めていけばいいのに、どこかで相手を上に見ていた」と3番・和久田は振り返る。自身は2安打。一回1死二塁で左翼線へ同点適時二塁打を放った。昨夏はスタンドから応援していた2年生。「(春に)また来られるとは思っていなくて」。戻ってきた大舞台で複数安打を放ったが、こみ上げてくるのは悔しさばかりだった。

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