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小島ゆかり・評 『紀貫之』=大岡信・著

 (ちくま学芸文庫・1188円)

粘り強い評論家と情熱的詩人が同居

 大岡信が遺(のこ)したおびただしい業績のなかでも、とりわけ力漲(みなぎ)る壮年の名著である。

 「貫之は下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集に有之候」。つとに知られたこの断言は、正岡子規による和歌革新運動の言挙げとなった連載歌論「歌よみに与ふる書」(新聞「日本」)の第二回冒頭の一文である。紀貫之及び『古今集』の歌人たちにとってはずいぶん迷惑な話である。じっさいに非難すべきものとして子規の念頭にあったのは、旧態の歌風であって、貫之や『古今集』そのものではなかったはずだから。

 自然主義と写実主義を標榜(ひょうぼう)した子規は、貫之ならびに『古今集』を排して、『万葉集』ならび…

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