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鴈治郎、菊之助が、それぞれに代々が得意とした演目に初挑戦する。
最初が「増補忠臣蔵」。「仮名手本忠臣蔵」の九段目「山科閑居」に至るまでの加古川本蔵家での出来事を描く「増補版」。
塩冶判官の高師直への刃傷を本蔵(片岡亀蔵)が止めたことで主君の桃井若狭之助(鴈治郎)は、「へつらい武士」と汚名を着せられた。若狭之助の妹で、判官の弟の婚約者三千歳姫(梅枝)は本蔵の下屋敷に預けられ、また悪臣の井浪伴左衛門(橘太郎)は若狭之助毒殺をたくらんでいた。
本心を隠して下屋敷に乗り込む若狭之助の腹芸が見どころ。優れた作とは言い難いが、鴈治郎の明るくおおらかな芸風が役に合う。亀蔵が死を覚悟しての忠義ぶりを明晰(めいせき)なセリフで聞かせた。橘太郎、梅枝がいい。
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