特集

第94回センバツ高校野球

第94回選抜高校野球大会の特集サイトです。阪神甲子園球場での熱戦全31試合をLIVE配信します。

特集一覧

第90回選抜高校野球

「逆転だ!」波打つ「C」 智弁学園「らしさ」発揮 /奈良

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
初戦を突破し、校歌を歌う智弁学園の選手たち=阪神甲子園球場で、平川義之撮影
初戦を突破し、校歌を歌う智弁学園の選手たち=阪神甲子園球場で、平川義之撮影

 <センバツ2018>

智弁学園のスタンドに浮かび上がった「C」の人文字=阪神甲子園球場で、木村敦彦撮影 拡大
智弁学園のスタンドに浮かび上がった「C」の人文字=阪神甲子園球場で、木村敦彦撮影

 センバツに出場している智弁学園は大会第3日の25日、2回戦で日大山形(山形)と対戦し、5-3で逆転勝ちした。先制点を許し、序盤は相手のペースだったが、六回に4番を任された藤村健太選手(2年)の適時二塁打で逆転。八回には岡野龍太選手(3年)に、チームを波に乗せる本塁打が飛び出し、スタンドの応援団も喜びに沸いた。全国制覇した2016年春の再現に向け、幸先の良いスタートを切った。3回戦は大会第8日第3試合(30日午後2時開始予定)で、下関国際(山口)と創成館(長崎)の勝者と対戦する。【佐藤英里奈、木村敦彦、日向梓】

 ▽2回戦

日大山形

  000110010=3

  00010211×=5

智弁学園

初戦突破に大きな拍手

【日大山形-智弁学園】四回裏智弁学園無死三塁、左向澪選手が左犠飛を放つ=久保玲撮影 拡大
【日大山形-智弁学園】四回裏智弁学園無死三塁、左向澪選手が左犠飛を放つ=久保玲撮影

 1点を追う六回、左向澪(さこうれい)選手(3年)の適時打で同点とし、なお1死二塁で打席には藤村選手。昨秋の公式戦で出場機会がなかった2年生は、大舞台の初戦でいきなり4番に抜てきされた。力のあるスイングから放たれた打球は左中間を破り、逆転。父の照幸さん(50)は「調子がいい」と大喜びし、スタンドを埋めた大応援団もお祭り騒ぎとなった。智弁らしい「つなぐ野球」がようやく見られ、スタンドから声援を送っていた野球部員の吉田有輝さん(3年)も思わず「うれしい」。

 序盤は、なかなか「らしさ」が見られなかった。相手の先発を打ち崩せず、四回には1点を先制された。追いついた直後の五回にも1点を勝ち越され、スタンドからは「うそ」とため息が漏れ、不安そうな表情を浮かべる生徒もいた。

 試合前、小坂将商(まさあき)監督から与えられた目標は、「超積極的」という言葉。六回の逆転劇で勢いに乗ったチームは、その言葉通り積極的なプレーを随所に見せた。

 4-3と1点差に迫られた八回には、岡野選手がインコースの直球を「センター方向に打ち返そう」と思い切り振り抜くと、右翼へ高々と上がった打球はフェンスの向こう側へと吸い込まれた。母の千秋さん(46)は「まさかとは思ったが、甲子園の舞台で本塁打を打てるとは」とにっこり。

 初戦突破を果たし、スタンド前で整列した選手たちに「よくやった」と大きな拍手が送られた。野球部員の川口龍馬さん(3年)は「絶対に勝ってくれると信じていた。これで勢いづいてほしい」と期待を込めた。

700人で特大エール/“勝利の女神”33人

智弁学園のスタンドでエールを送るチアリーダー=阪神甲子園球場で、日向梓撮影 拡大
智弁学園のスタンドでエールを送るチアリーダー=阪神甲子園球場で、日向梓撮影

 ○…智弁学園の応援団が陣取った一塁側のスタンドには、恒例の大きな「C」の人文字が浮かび上がった。この日は、生徒や保護者ら約700人が参加。白と赤の帽子やポンチョ、ウインドブレーカーで描いた。担当した島田嘉文教諭(35)は「選手の目に映る、大きな人文字は大きな力になるはずだ」。チームが得点を挙げると、生徒らが跳びはねて喜び、人文字が大きく波打つ場面も。島田教諭は「スタンドも選手と一体となって応援する。選手には存分に力を発揮してほしい」と願った。

 ○…学校としては過去最多という33人のチアリーダーが応援に花を添えた、日向梓撮影。2人いるリーダーの1人、谷屋友理さん(3年)は智弁学園中3年の時、初優勝を飾った2016年のセンバツの決勝戦を甲子園で観戦。「感動し、高校ではチアをやると決めていた」。昨春もチアリーダーとしてスタンドから選手たちを鼓舞したが、夏で引退するため、この大会が最後の晴れ舞台。「1試合でも多く踊り、優勝の瞬間をもう一度見たい」と元気な動きを見せながら声をからした。


 ■熱球

けが克服、強気で踏ん張る 川釣(かわつり)聖矢投手(3年)

智弁学園2番手の川釣聖矢投手=阪神甲子園球場で、久保玲撮影 拡大
智弁学園2番手の川釣聖矢投手=阪神甲子園球場で、久保玲撮影

 六回表、電光掲示板に自分の名前が表示され、二番手投手として憧れのマウンドを踏むと、「じーんとした」。威力のある直球と縦の変化球のコンビネーションで、4イニングを1失点に抑えた。

 1年生の秋の練習中、額にライナーが直撃し、陥没骨折の重傷を負った。一時は寝たきりになり、車いす生活も強いられた。「他の選手と差が開いていると焦る時期もあった」

 その悔しさから復帰後はウエートトレーニングに励み、球速が増した。制球に課題があったが、この冬の走り込みで下半身を鍛え、改善されてきた。大会前の練習試合でも好投を続け、この日先発したエース・伊原陵人(たかと)投手(3年)を脅かす存在になりつつある。

 相手に1点をリードされた大事な場面で登板すると、チームはすぐに逆転してくれたが、八回1死から3連打を浴びて1点を失った。マウンドに集まった仲間から「焦っていないで、一つずつ(アウトをとって)いこう」と励まされ、強気で後続を断った。小坂将商監督も「緊張したと思うが、よく投げてくれた」とたたえた。

 けがを乗り越えて迎えた大舞台で成長した姿を見せつけ、表情には充実感が漂っていた。【佐藤英里奈】

関連記事

あわせて読みたい