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開いた扉・旧優生保護法を問う

/1(その1) 残っていた手術台帳 人権侵害の闇照らす

宮城県子育て支援課内のキャビネットから見つかった「優生手術台帳」=宮城県庁で遠藤大志撮影

 「あった。見つけた」。思わず声に出していた。

     2017年7月。仙台市の街並みが見渡せる宮城県庁7階、子育て支援課。相沢明子課長補佐は「優生手術台帳」と手書きされた厚さ2センチの古い冊子を手に、その名前を何度も確かめた。「記録のある人が現れたことで、(強制不妊手術という)事実の重みを感じた」瞬間だった。

     見つかったのは、旧優生保護法(1948~96年)下で強制された手術の記録の開示を求めた、宮城県内に住む知的障害のある60代女性の名前だった。この1冊の台帳に残されていた記録により、女性は今年1月末、仙台地裁への国家賠償請求訴訟に踏み切った。

     そして3月。事態は女性や代理人弁護士らの想像を超えた速さで動き出した。手術を受けた当事者たちの救済のあり方を探る超党派の国会議員連盟が発足し、政府・与党も全国調査に乗り出す方針を決めた。調査や補償を拒み続けてきた国が重い腰を上げ、闇に閉ざされてきた人権侵害の実態に光が当たり始めた。

     旧厚生省の統計資料では、同法に基づき手術を強いられた障害者らは全国1万6475人。だが、名前のある記録は都道府県にしかなく、法律が存在した半世紀と改正後の計70年間に、8割の記録は捨てられたか所在不明となった。当事者たちは思うように意思を伝えられず、高齢化も進む。

     60代女性が自らの手術記録を手にしたのは奇跡的な出来事だった。【遠藤大志】

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