選抜高校野球
息子しのび選手鍛える 花巻東・鎌田コーチ
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センバツ第4日の26日、第3試合に登場する花巻東(岩手)のヘッドコーチ、鎌田茂さん(65)は部室にある一人息子・俊哉さん(享年26)の写真が宝物だ。父の背中を追って同校コーチとなり、2005年夏に甲子園に出場する際、メンバーで一緒に撮った。それから1年足らずの06年5月、急性白血病で世を去った。鎌田さんはありし日の姿を思い出し切なくなるが、「あいつの分まで頑張る」と指導に打ち込む。
声を張り上げ、外野にノックを放つ俊哉さんは生き生きとしていた。05年夏、甲子園で行われた開幕前の練習。俊哉さんは、鎌田さんと同じく花巻東を卒業し、大学進学直後に急性白血病と診断された。治療と再発を繰り返しながら6年かけて卒業。「いつか母校で一緒にコーチをする」という言葉通り、戻ってきたばかりだった。晴れ姿を見た鎌田さんは「涙がこぼれそうになった」という。
だが、親子で指導できる時間は長く続かなかった。甲子園練習から半年ほどたち、俊哉さんは再び病に倒れた。病床で「あの選手はどうしているかな」としきりに尋ね、再び合流できると信じ続けたが、06年5月、帰らぬ人になった。
「死んだ者は帰って来ない」。鎌田さんは自らにそう言い聞かせても、俊哉さんのことを思い出してしまう。大きな大会が近づくと、俊哉さんが夢に出てくる。「おい、一人だと大変なんだ。父ちゃんを手伝ってくれよ」と声をかけたところで目が覚め、現実に引き戻される。そのたびに、あいつは今も大好きな母校のチームを見守っているんだ、と思うようにしてきた。
俊哉さんは一度目標を決めれば、途中で諦めることは絶対にしなかった。「あいつの分までやって『日本一になったぞ!』と報告しなきゃな」。26日に東邦(愛知)との初戦に臨むナインの姿を、この甲子園の空から見守ってほしい--。鎌田さんは願っている。【三瓶杜萌】
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