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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

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第90回選抜高校野球

東邦 粘り及ばず 諦めない姿勢に拍手 /愛知

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【東邦-花巻東】試合後、アルプス席にあいさつに向かう東邦の選手たち=阪神甲子園球場で、森園道子撮影
【東邦-花巻東】試合後、アルプス席にあいさつに向かう東邦の選手たち=阪神甲子園球場で、森園道子撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

 第90回センバツ大会第4日の26日、東邦は花巻東(岩手)と対戦し、3-5で惜敗した。東邦は序盤から攻守でミスが続きリズムを作れなかったが、九回に2点差まで追い上げる粘りを見せた。悲願のセンバツ5度目の優勝は達成できなかったものの、選手らの最後まで諦めない姿勢にスタンドからは温かい拍手が送られた。【横田伸治、李舜、中川祐一】

 ▽2回戦

東邦(愛知)

  000001002=3

  10020011×=5

花巻東(岩手)

 先制を許すと、打線は五回まで2安打と相手投手の低めの変化球に苦しんだ。六回に林琢真選手(3年)が「俺が突破口になる」と二塁打を放ち、さらに暴投の隙(すき)を突いて三塁へ。内野ゴロの間に生還し、1点を返した。アルプス席で見守った母・麗子さん(46)は「琢真は昔からスライディングして遊んでいた。仲間を信じているから走れるんだと思います」と活躍を喜んだ。

 守っては「2人でエース」を任される扇谷莉、西有喜の両投手(いずれも3年)が力投したが、じわじわとリードを広げられる。約1500人のファンが詰めかけたアルプス席では、応援団長を務めた野球部員の大島有貴さん(同)が「自分も全力でチームに声を届ける」と顔を真っ赤にしながら叫び続けた。

 4点差で迎えた九回。1死から梅田昂季選手(同)が安打で出塁。相手の暴投や四球で1死一、二塁とし、北川慶太郎選手(同)が打席に入った。今月の練習試合で代打ながら満塁本塁打を放つなどアピールし、この日は先発出場。「逆転するためには絶対に俺が出ないといけない」と適時打を放ち3点差とすると、スタンドは「まだまだいけるぞ!」と歓声に湧いた。さらに1点を返したが、力尽きた。

大迫力25曲で応援

 ○…マーチングバンド部の熱のこもった応援が今年も甲子園を盛り上げた。部員は例年の半数以下と少ないが、卒業生が加わった総勢約60人で「戦闘開始! T・O・H・O T・O・H・O TOHO」のかけ声から始まる名物応援曲の「戦闘開始!」など25曲を大迫力で演奏し、スタンドを沸かせた。部長の渡辺紫穂さん(3年)は「部員は減ったが、これまで以上の応援をして選手の力になりたい」と最後まで音を送った。

コーチが動画制作

 ○…東邦ナインは試合前、ベンチを外れた部員やOBらからのエールを集めた動画をバスの中で見て士気を高めた。木下達生コーチ(30)が「少しでも緊張をほぐしてあげたかった」と制作。練習の合間を縫って撮影し、20分ほどの動画に仕上げた。部員の杉崎蒼太さん(3年)は「恥ずかしかったが、動画を見てリラックスしてくれたらうれしい」と話した。

 ■熱球譜

センス抜群、好機作る 洞田大翔右翼手(3年)

洞田大翔右翼手 拡大
洞田大翔右翼手

 身長170センチと小柄ながら、チーム最高の打率4割9分2厘を誇る3番打者。この日も四回に安打で出塁し、盗塁も決めて好機を作った。森田泰弘監督からは「抜群の野球センス」と信頼される。

 普段はおどける姿も見せるチームのムードメーカーだが、胸には「誰にも負けたくない」という思いを秘めている。中でも一番のライバルは、5番打者の梅田昂季選手(3年)だ。同じ左打者という仲間意識から仲良くなり、1年の夏ごろからはキャッチボールの時は必ず2人でコンビを組む仲になった。自分のスイングについて「それ本気で振っているのか?」とからかわれた時には「畜生!」と唇をとがらせた。以来、「体が小さくても球を飛ばせる姿を見せたい」と発奮し、スイングの力の込め方や体の開き方を研究した。昨秋の公式戦では7二塁打、1本塁打と成果を見せた。

 この日は連続三振を喫するなど苦しんだ梅田選手に「もっと手元で打てよ!」と声をかけた。常に仲間を気遣い、周囲を盛り上げる明るさを買われ、副主将も務めてきた。稲留克哉主将(同)らと共にチームをけん引する姿に、多くのチームメートが信頼と尊敬を寄せている。

 初戦敗退に終わったが、「自分もチームもまだ力が足りない。夏までに、接戦で勝てるようになります」。悔しさをばねに、さらなる飛躍を誓った。【横田伸治】

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