特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

真剣味

センバツ 登録選手に同行、ベンチ入り逃した12人 無念封印、チーム支え 「勝つため、どんな仕事も」 /三重

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
グラウンドに散乱したボールを集めて個数を数えながら箱に詰める森敦生選手=兵庫県三田市南が丘2の三田学園高校で 拡大
グラウンドに散乱したボールを集めて個数を数えながら箱に詰める森敦生選手=兵庫県三田市南が丘2の三田学園高校で

 <第90回記念選抜高校野球>

 センバツで29日に初戦を迎える三重は兵庫県伊丹市に宿舎を構え、最終調整に励んでいる。登録選手18人に同行し、練習や生活を支えるのがベンチ入りを逃した12人の選手たちだ。「チームが勝つためならどんな仕事もやる」と奮闘している。【森田采花】

 練習に向かう際、12人はメンバーの荷物や道具をバスに積み込む。グラウンドでは打撃投手を務めたり、持ち込んだ600個のボールを拾い集めて管理したりする。ユニホームの洗濯も交代で担当。洗濯機の台数が限られているため、作業が午前2時ごろまでかかることもあるという。

 メンバー発表は開幕を9日後に控えた14日午前、松阪市の同校グラウンドで行われた。「悔しくて野球をやめてやろうかなって思った」と振り返るのは、外野手の森敦生(たいせい)選手(3年)だ。小島紳監督が読み上げる中に自分の名前はなかった。

 昨秋は公式試合に出場していただけに落ち込んだという。だが外れた理由を考えた。「結果を求めて焦りから調子を崩していた」。未熟さを痛感し、全てを見直した。「自分のことしか考えてこなかった僕が今は本気でチームの勝利のことを考えている」。以降、ボール拾いや掃除に率先して取り組んでいる。

 同じくメンバーから漏れた外野手の山下空良(そら)選手(同)も「外れてから1週間はメンバーとも話せず、落ち込んだ。でも夏に向けて頑張っていこうと思って気持ちを切り替えた。今はチームに勝ってほしくて支えている」と語る。

 献身的な思いは仲間に伝わる。定本拓真主将(同)は「睡眠時間を削ってまで洗濯してくれて感謝している」と話し、福田桃也投手(同)も「散乱した600個のボールを探し回ってくれている。練習に専念できるように陰で支えてくれている」と胸を熱くしている。

 マネジャーを含めて部員97人の大所帯。12人のその背後には同行すらならなかった多くの部員たちの思いがある。初戦の相手は強豪の日大三(東京)だが、森選手は「僕たちの支えでチームを勝たせる」と気迫を込める。

〔三重版〕

次に読みたい

あわせて読みたい