特集

第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(8月10~29日)の特集サイトです。

特集一覧

第90回選抜高校野球

涙ふいて、懸ける夏 あこがれた兄ともう一度甲子園へ 瀬戸内・東大翔さん、大暉さん兄弟 /広島

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
兄の東大翔選手をおぶってトレーニングをする瀬戸内の東大暉選手=広島市東区山根町の練習グラウンドで、小山美砂撮影 拡大
兄の東大翔選手をおぶってトレーニングをする瀬戸内の東大暉選手=広島市東区山根町の練習グラウンドで、小山美砂撮影

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の1回戦で惜敗した瀬戸内。兄とともに先発出場した東大暉選手(2年)は、気持ちを新たに夏に向けて練習に励んでいる。兄大翔(かける)選手(3年)は2安打を放ったが、自分は無安打。試合後は「兄貴は成長して仕事をしたのに、自分は何もできなかった」と涙を流した。夏、兄とプレーできる最後の甲子園に出場したいと誓う。

 朝5時半、大暉選手はまだ薄暗いグラウンドで、ウトウトしながら兄を待つ。2人は朝練前の1時間、自主練習をしてきた。昨夏からの習慣でティー打撃やノックをこなす。大翔選手は「きついこともこいつなら一緒にやってくれるんで」とはにかむ。

 山口県光市出身。高校球児だった父、広樹さん(39)の夢は「兄弟2人ともプロ野球選手」。2人はお座りができるようになるとバットを握らされた。大暉選手は小さい頃から兄の後ろをついて回り、練習も同じメニュー。砂浜を走ったり、学校からの帰り道で路線バスと競走して帰ったり-。あこがれの選手は「兄貴」だった。練習後、誰よりユニホームが汚れている兄の練習量やひたむきさを尊敬してきた。

 別の高校への進学も考えたが、兄から瀬戸内の整った練習環境や生活を聞き、瀬戸内で甲子園を目指すことに決めた。今では136段の階段ダッシュや長距離走では兄にも負けない。大翔選手も「プレーはまだまだだが、よく付いてきている」と2年生で唯一先発メンバー入りした弟を信頼する。

 兄弟で甲子園に出場し、広樹さんも「ひとつの夢がかなった」と涙を流して喜んだ。

 瀬戸内の選手は試合翌日の24日、広島に戻り、翌25日から夏に向けた練習を始めた。大暉選手が兄と甲子園に出られる機会は、あと夏の1回だけ。「今まで頑張れたのは兄貴が道筋を示してくれたおかげ。夏、兄貴を甲子園に連れて行き、感謝の気持ちを伝える」と気を引き締めた。【小山美砂】

次に読みたい

あわせて読みたい