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有害化学物質

PCB処分期限迫る 九州・中四国で

 国内最大の食品公害カネミ油症事件の原因になった有害化学物質「ポリ塩化ビフェニール(PCB)」を含む変圧器と蓄電器の廃棄物の処分期限が、九州・中四国で今月末に迫っている。国は早急な処分を求めているが、処分費用が高額なため保管を隠している事業者もいるとみられ期限後、放置され漏えいする恐れもある。

     高濃度PCB廃棄物の処分は、ストックホルム条約に沿って2001年に施行された特別措置法によって保管事業者に義務づけられた。事業者は国の基本計画に従い、政府全額出資の特殊会社「中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)」と処分契約を締結。廃棄物は全国5カ所にあるJESCOの施設で無害化処理される。

     処分期限は全国5地域ごとに定められ、九州・中四国は全国で最も早い今月末。JESCOとの契約締結時点で処分扱いとなり、九州・中四国内の廃棄物は北九州市の施設で18年度中に処理される。

     だが、運搬費全額と処理費の3割は事業者の負担(大企業は全額)で、蓄電器1台当たり約20万円を要する。同地域の当初の処分期限は14年度末だったが計画通りに進まず、国は3年延長した。これに対し、カネミ油症事件の舞台となった北九州市の市民らが環境汚染などを懸念して反発。国は市と協定を結び「再延長しない」と決めた経緯がある。

     市によると、今年2月末現在、九州・中四国で少なくとも100事業者がPCB廃棄物を処分せず保管している。処理施設の監視を続ける北九州市の担当者は「9割以上の処分のめどがついた手応えはあるが、ゼロに到達できるかは分からない」と話す。

     PCB問題に詳しいNPO法人「持続可能な社会をつくる元気ネット」(東京都)の鬼沢良子事務局長は「地域住民の信頼を裏切らないよう国は自治体をサポートし、事業者による処分を期限内に終わらせる責任がある」と訴えている。【比嘉洋】

     【ことば】PCB

     電気を通さない絶縁性や化学的な安定性に優れた油状の人工化学物質で、ビルや工場の変圧器や蓄電器、蛍光灯安定器の絶縁油などに幅広く使用された。1968年のカネミ油症事件では、米ぬか油に混入したPCBが原因で西日本一帯の1万4000人が皮膚の色素沈着や倦怠(けんたい)感などの健康被害を訴え、72年に製造が中止された。主にPCBの濃度が0.5%超の電気機器は高濃度PCB廃棄物に分類される。

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