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私だけの東京・2020に語り継ぐ

著名人へのインタビューを通じて、東京の魅力を再発見します。

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私だけの東京・2020に語り継ぐ

お笑い芸人・矢部太郎さん 88歳、大家さんとの日々

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 新宿の端っこの街に住んで丸8年が過ぎました。都心ですが古い家も多く、静かなところです。同業者がほとんど住んでいないことも気に入っています。仕事以外の時に、ばったり会うのがとても気恥ずかしいので。

 僕の家は木造2階建ての2世帯住宅の2階部分で、1階には88歳の女性の大家さんが1人で住んでいます。職場に近いところを探そうと思って、1軒目に訪れたのがここです。僕に送られてくる郵便には、住所の他に「○○様方」と大家さんの名前が必要なんですよ。2階には大家さんのテレビの音も聞こえてくるし、とても他人同士が住んでいる距離感ではありません。

 大家さんは戦時中の疎開以外、ずっとこの街に住んでいるので、ご近所の方をよく知っています。大家さんが僕に「○○さんがね」と名前を出して話題にするので、向かいの家や隣の家に住んでいる人のことが分かるようになりました。今ではご近所さんともすっかり知り合いになり、大家さんと一緒に少し足を延ばしてご飯を食べに行く間柄です。僕が出る舞台を見に来てくれることもあります。

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