メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

インタビュー・最前線

南海電気鉄道・遠北光彦社長 なんば、まちづくり進化 2031年、なにわ筋線開業

南海電気鉄道の遠北光彦社長=大阪市浪速区で、菅知美撮影

 南海電気鉄道は、2031年春のなにわ筋線開業をにらんで、初めての経営ビジョン(18~27年度)を作った。「沿線の価値を磨く10年」と位置づけ、難波駅-新今宮駅間の高架下の活用や不動産事業の強化などを通じ、事業拠点であるなんばのまちづくりを進化するとともに、なにわ筋線を走る新型ラピートの検討を始める。遠北光彦社長(63)に事業戦略を聞いた。【聞き手・土居和弘、写真・菅知美】

     --10年後を見据えた経営ビジョンです。

     ◆選ばれる沿線・企業グループになるため、初めて作った長期ビジョンです。第1期となる3年間の中期経営計画も策定しました。なにわ筋線開業で関西国際空港と新大阪とのアクセスが向上し、当社の悲願だった大阪キタや京阪神とつながることができる一方、難波駅が「通過駅」になる懸念もあります。また、訪日外国人(インバウンド)の増加のメリットを、当社は直接、輸送の形で享受できる立場にありますが、沿線人口の減少という課題にも直面しています。「なんば」と「インバウンド」をビジネスチャンスのキーワードとして沿線の価値を向上させるとともに、不動産事業を鉄道事業と並ぶ収益の柱に育てたいと思っています。

     --なんば周辺のまちづくりについては。

     ◆なんば周辺は当社最大の事業拠点です。新今宮・新世界地区との南北軸をつくるため、難波駅-新今宮駅間の高架下で進める「なんばEKIKANプロジェクト」を核に周辺エリアを開発し、「にぎわいの回遊空間」としたい。2014年に難波駅側から始めており、カフェ、雑貨店、ゲストハウスなど、周辺を含め既に16店を誘致しました。22年には新今宮駅前に星野リゾートが都市型ホテルを開業させ、地域活性化への期待が高まっています。また駅北側に19年9月、就労ビザを持つ訪日外国人に仕事を紹介する拠点を開設します。交流スペースや宿泊施設、飲食店なども備え、外国人に定住してもらい、沿線人口を増やすきっかけにしたい。

     --今年9月、難波駅西隣に高層ビル「なんばスカイオ」が完成します。

     ◆地上31階・地下2階のビルに商業施設や医療施設、オフィスなどが入居します。商業棟、オフィス棟の入居率は目標の100%、70%を開業までにそれぞれクリアできそうです。なんば地区はキタ地区に比べ、ビジネス機能が弱かった。中期経営計画期間中には不動産の新規取得に400億円を投じます。なんばでは都市格を上げるためホテルや商業施設と並びオフィスビルの開発も進めます。

     --昨年、JR西日本や阪急電鉄、大阪府・市と建設に合意したなにわ筋線の運行体制については。

     ◆ラピートについては、新型車両を投入することを検討しています。現行では先頭車両に避難用の貫通扉がないため、地下を通るなにわ筋線では安全に走行できません。具体化は次期中期経営計画以降になります、検討を進めたい。

    IR施設へ旅客船運航検討

     遠北社長はインタビューの中で、大阪府・市などが大阪湾の人工島・夢洲への誘致を目指す、カジノを含む統合型リゾート(IR)構想に関連し、関西国際空港-夢洲間で来場者を乗せる旅客船の運航を検討することを明らかにした。

     遠北社長は「大阪の国際都市としての都市格向上につながる」とIR実現に協力する考えを述べ、そのうえで「関空からのアクセスやIR施設内での移動について関わっていきたい」と話した。南海電鉄は子会社に南海フェリーを持ち、旅客船運航のノウハウがある。IRが実現すれば、船会社などと連携して計画づくりをしたいという。


    社名    南海電気鉄道株式会社

    本社所在地 大阪市浪速区敷津東2の1の41

    設立    1925年

    資本金   729億円

    売上高   2216億9000万円(2017年3月期、連結)

    営業利益  318億4000万円(同、同)

    従業員数  9104人(17年3月末現在、同)


     ■人物略歴

    あちきた・てるひこ

     1954年、和歌山県生まれ。78年、慶応大商学部を卒業し、入社。南海商事社長などを経て、2013年に南海電鉄取締役。15年から社長兼CEO(最高経営責任者)。同年から日本民営鉄道協会理事。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 九大の森 静寂こそ…インスタ映えで殺到、閉鎖も検討
    2. 特集ワイド 財務事務次官のセクハラ疑惑 あきれた政府の人権感覚
    3. 反セクハラ 自民・長尾氏、女性議員に「縁遠い方々」
    4. 東京入管 収容トルコ人腹痛、放置 虫垂炎と腹膜炎併発
    5. 深い傷 性暴力の現場から/上 告白の夜、夫婦で号泣 父から強姦、被害公表し支援側に

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]