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第94回センバツ高校野球

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第90回選抜高校野球

国学院栃木、逆転劇 /栃木

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【国学院栃木-延岡学園】五回表国学院栃木2死二、三塁、大栗の中前打で近藤翔真選手が生還=阪神甲子園球場で、長谷川直亮撮影 拡大
【国学院栃木-延岡学園】五回表国学院栃木2死二、三塁、大栗の中前打で近藤翔真選手が生還=阪神甲子園球場で、長谷川直亮撮影

 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

 第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第5日の27日、国学院栃木は2回戦で延岡学園(宮崎)に9-5で逆転勝ちした。4点を追う五回に大栗拓也選手(3年)の2点適時打などで同点とし、六回には島田侑希選手(3年)のソロ本塁打で勝ち越し。投げては抑えの左腕、宮海土(かいと)投手(3年)が4回無失点の好救援で締めくくった。3回戦は大会第8日第2試合(30日午前11時半開始予定)で、智弁和歌山(和歌山)と対戦する。【李舜、今野悠貴】


 ▽2回戦

国学院栃木 100042020=9

延岡学園  300200000=5

「打ち勝った」五回勢いつく

 センバツ出場決定後、「打ち勝つ野球」を目標に掲げた国学院栃木。ここまでは投手陣の奮闘が目立ったが、「本来は打のチーム」(柄目(つかのめ)直人監督)との期待に、見事に応えた。

 劣勢を盛り返したのは五回だった。4番から7番に打順が下がった先頭の島田選手が、右翼フェンス直撃の二塁打で口火を切ると、打線がつながり2点を返し、なおも2死二、三塁。ここで4番に抜てきされた大栗選手が中前へ。2者が還って同点だ。父明夫さん(55)は「力みが抜けてきれいに打てた。ナイスバッティング!」。

 勢いは、もう止まらない。六回、「打順が変わって少し気楽に打てた」という島田選手が、今度は右翼席へ勝ち越しのソロ本塁打。昨秋の公式戦はチーム本塁打ゼロだったが、貴重な「初本塁打」が甲子園で飛び出した。父母会長を務める父透さん(58)は「今日は当たっていたのでもしかしたら、と思っていた」と思わずガッツポーズ。八回には近藤翔真選手(3年)が左翼席へ2点本塁打を放った。母道子さん(44)は「今までの努力が実って本当にうれしい」と涙ぐんだ。公式戦で自己最長の4回を無失点で締めた宮投手の快投で勝利が決まると、スタンドには歓喜の輪が幾重にもできた。

 現チームでは公式戦最多の9得点。2番手で登板した渡辺匠投手(3年)は「今日は打線に助けられた。心強い」。投打の絆を深める1勝だった。

 3回戦の相手は智弁和歌山。OBの柄目監督が選手だった18年前のセンバツ準決勝で敗れたチームだ。18年前に生まれた選手らが、監督の悔しさを晴らす。

紫紺の応援旗掲げ

 ○…国学院栃木の応援席の最上段には、グラウンドの選手に「無言のエール」を送る野球部員がいる。約3年前に新調した紫紺の応援旗を持つのは、ともに2年生の須藤千春さんと小谷卓巳さん。柄目直人監督からは「どんなことがあっても旗を降ろすな」とハッパをかけられたといい、須藤さんは「旗はチームの象徴。責任を持って務めたい」。強風の吹く厳しいコンディションにも負けず、真剣なまなざしでグラウンドを見つめ、チームの勝利を祈っていた。


 ■歓声を背に

復調、悩めるスラッガー 国学院栃木・大栗拓也外野手(3年)

大栗拓也外野手 拡大
大栗拓也外野手

 自他共に認める「悩めるスラッガー」は、好機で吹っ切れたようにバットを振り抜いた。公式戦初の4番に抜てきした監督の期待に、ここ一番で応えた。

 2点を追う五回。一塁走者の青木寿修(ひさなが)選手が二盗を決めて2死二、三塁となり、「単打(安打)で同点。なんとか打ちたい」と気持ちを高ぶらせた。延岡学園の右腕投手の落差の大きなカーブ攻めに必死に食らいつき、最後は内角高めのカーブをしぶとく中前に運んだ。安堵(あんど)とうれしさで、自然と右拳を突き上げていた。

 昨秋の県大会で「首位打者」に輝くなど技術の高い左打者。それでも、ちょっと打てないと「打席で悩んでしまう」。悪循環に陥りがちで、試合を楽しめなかったという。

 センバツでも1回戦は悩みすぎた結果、3打数無安打、2三振。調子は最悪だった。そんな時、柄目(つかのめ)直人監督から約1時間も熱血指導を受けたことが、復調のきっかけになった。25日の練習で、「打つ前から(踏み出す)右足に体重をかけたほうがいい」とアドバイスを受け、前向きな気持ちに。「監督のおかげで打てない理由を考えず、打席を楽しめた。感謝してます」と笑顔を見せた。

 3回戦では、優勝候補の一角、智弁和歌山に挑む。特技が釣りのスラッガーは、「試合が楽しみ。智弁和歌山から打って大物を釣り上げます」。自信に満ちた表情で、悩みはすっかり消えていた。【李舜】

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