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第94回センバツ高校野球

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智弁和歌山 先輩のスパイクで奮起 富山商との初戦に先発・小堀颯投手(3年) /和歌山

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北拓海さんから託されたスパイクを履いて投球練習に臨む智弁和歌山の小堀颯投手=和歌山市冬野の同校で、木原真希撮影 拡大
北拓海さんから託されたスパイクを履いて投球練習に臨む智弁和歌山の小堀颯投手=和歌山市冬野の同校で、木原真希撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

次戦は30日 北さんの思い受け継ぐ

 第90回記念選抜高校野球大会で富山商との初戦(25日)に先発した小堀颯投手(3年)は、今春卒業した野球部の北拓海(たくみ)さん(18)から譲り受けた練習用スパイクを履いてピッチングに磨きをかけてきた。同じ控え投手としてエースを目指した先輩の思いを受け継ぎ、甲子園に臨んでいる。チームは大会第8日第2試合(30日午前11時半開始予定)の3回戦で、国学院栃木との対戦が決まった。【木原真希】

 北さんは左腕として昨年夏の和歌山大会で登板し、夏の甲子園初戦の興南(沖縄)戦にも先発した。

 小堀投手は1年の時から1学年上の北さんにあこがれ、投球フォームや変化球の投げ方などでアドバイスをもらってきた。夏の甲子園を終えて引退した北さんから昨年10月、長く使っていた練習用スパイクを「自分の分も頑張ってほしい」と託された。

 小堀投手には同学年に主戦・平田龍輝投手(3年)がいる。平田投手が昨夏の甲子園でも登板して活躍する中、自らはベンチ入りメンバーから外れるなど悔しさを募らせてきた。

 北さんは同じ控え投手として、そんな小堀投手の気持ちを察して励ましつつ、時には「自分ができなかった背番号1を取りにいけ」と奮起を促した。

 先輩の期待に応えようと、小堀投手もこの冬、投げ込みを重ねた。譲り受けたスパイクには穴が空き、底もめくれて2回修理に出した。「靴ひもを結ぶ時には『よしやったる』と気持ちが入る」といい、小堀投手にとっては掛け替えのない用具の一つだ。

 富山商戦の後には、テレビで試合を見た北さんからLINEで「甲子園初登板にしては上出来」とのメッセージが届いた。試合では制球面での課題も見つかり、小堀投手は「北さんにほめてもらえるのはうれしい。でも、まだ満足はできない」と気を引き締めている。

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