メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

中国の隋書倭国伝に…

 中国の隋書倭国伝(ずいしょわこくでん)に7世紀日本の熱湯神判や蛇神判の記録がある。神判とは人の言葉の真偽を判定するのに神意を求めるもので、そのために熱湯や蛇の入ったかめに手を入れさせ、やけどや傷を負うかを見た▲言葉に偽りがなければ神意によってやけどや傷を負わないというわけだが、もちろんそうはいかない。盟神探湯(くかたち)と呼ばれた古代日本の熱湯神判では、人々がおじ気づいて結果的に不正が正されたというから、“効果”はあったようだ▲身の毛もよだつ神判の恐怖のないことは感謝せねばならない現代人だが、言葉を通した真実への接近が昔に比べ容易になったわけでもなさそうだ。ウソをつけば偽証罪という宣誓証言もくっきり真相を映し出してくれるとは限らない▲森友学園への国有地売却と決裁文書改ざんのキーマンである前財務省理財局長の佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)氏の注目の証人喚問である。だが大方が予想した通り、改ざんの経緯や理由については「刑事訴追の恐れがある」として証言拒否をくり返した▲その一方で改ざんへの首相やその周辺の指示ははっきり否定。また虚偽と批判された昨年の答弁は正しかったと述べ、国有地売却には首相や夫人の影響はなかったと断じた。改ざんの実態は語らずに、政権の関与だけは否定したのだ▲結局は木で鼻をくくったような昨年の答弁をまた聞かされた気がする。肝心の国有地の不当廉売とその記録改ざんの核心解明へ、誰にも分かる証言を必要なだけ集めねばならぬ神判なき民主主義国の議会だ。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. セクハラ 女子学生と13泊の准教授を停職処分 弘前大
    2. 許さない 性暴力の現場で/4 兄からの虐待 逃げ得…納得できない /群馬
    3. 就職活動でOB訪問の女子学生にわいせつ容疑 大林組社員逮捕
    4. 市立船橋高 合格者に不合格、不合格者に合格通知郵送 校内掲示は正確
    5. 8歳女児を両手縛って水風呂に 母親と内縁の夫を逮捕

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです