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第93回センバツ高校野球

第93回選抜高校野球大会の特集サイトです。3月19日から4月1日まで阪神甲子園球場での熱戦を全試合ライブ中継します。

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第90回選抜高校野球

彦根東4-3慶応 彦根東、エース1勝

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 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

第6日(28日・阪神甲子園球場)

 ○…2回戦…○

 ▽午前9時3分開始(観衆3万2000人)

彦根東(滋賀)

  000001030=4

  000000210=3

慶応(神奈川)


【彦根東-慶応】彦根東先発の増居=阪神甲子園球場で2018年3月28日、森園道子撮影 拡大
【彦根東-慶応】彦根東先発の増居=阪神甲子園球場で2018年3月28日、森園道子撮影

 彦根東がシーソーゲームを制した。六回1死満塁から山岡の二ゴロで1点を先取。1点を追う八回は朝日の三塁打と山岡の四球などで2死一、三塁とし、高内の左越え3ランで逆転した。左腕・増居は要所で直球がさえて3失点完投。慶応は七回に善波の左中間2点適時打で一時リードしたが、左腕・生井が踏ん張れなかった。

 ■白球を追って

苦手左打者、ピシャリ

 かつては苦手にしていた左打者にも、彦根東の左腕・増居は自信を持って投げ込んだ。

 1点リードを許し、なおも七回1死一、三塁のピンチ。慶応の1番・宮尾に対して追い込んでからの4球目は、昨秋から使い始めた外角のスプリットだった。直球と同じ振りでわずかに落ちる変化球を、狙い通り引っかけさせて二ゴロ併殺に打ち取った。「(宮尾は)足は速いが、ゴロを打たせれば併殺にできると思った。出来すぎ」と、してやったりの表情を見せた。

 課題を克服しようと、冬場は左打者の外角にきっちり投げ切る練習を繰り返してきた。この日は両校監督が試合前にキーマンに挙げていた慶応の宮尾と4番・下山の左打者2人を無安打に抑えた。また、坂道を走って下半身を鍛え、ストレッチで股関節の可動域を広げたことで球威が増し、自己最速を140キロに更新した。

 昨夏の甲子園では2年生ながら開幕試合で完投し、チームを春夏を通じて5回目の出場で初勝利に導いた。村中監督は「強気の姿勢が仲間にも大きな影響を与えている」と信頼を寄せる。2009年に21世紀枠で56年ぶりの甲子園出場を果たして以来、9年ぶりにセンバツに戻ってきた彦根東。昨夏から大きく成長を遂げた背番号1が、待望の春の初白星をもたらした。【長田舞子】

【彦根東-慶応】八回表彦根東2死一、三塁、高内が左越え3点本塁打を放ち、村中監督に出迎えられる=阪神甲子園球場で2018年3月28日、幾島健太郎撮影 拡大
【彦根東-慶応】八回表彦根東2死一、三塁、高内が左越え3点本塁打を放ち、村中監督に出迎えられる=阪神甲子園球場で2018年3月28日、幾島健太郎撮影

読み通り逆転弾

 ○…彦根東の高内が値千金の一発を放った。八回に相手投手の生命線の内角直球をうまくさばくと、打球は左翼ポール際に飛び込む逆転3ランになった。「相手投手がサインに首を振ったので、自信のある球が来る」と捕手らしい読みだった。第2打席以降は振り遅れないように、4センチ短いバットに替えたことも奏功した。不調で打順を本来の4番から6番に下げられて3安打。「最高の気分です」と破顔した。

【彦根東-慶応】 八回表彦根東2死一、三塁、高内(奥)に左越え3点本塁打を許し、打球の行方を見る慶応の生井=阪神甲子園球場で2018年3月28日、猪飼健史撮影 拡大
【彦根東-慶応】 八回表彦根東2死一、三塁、高内(奥)に左越え3点本塁打を許し、打球の行方を見る慶応の生井=阪神甲子園球場で2018年3月28日、猪飼健史撮影

 ■春きらめく

関東No.1左腕、甲子園の壁 生井惇己(じゅんき)投手=慶応・3年

 左翼スタンドに向かった打球を最後まで見つめた。逆転3ラン。思わず天を仰いだ。

 1点のリードを奪った直後の八回2死一、三塁、打席に彦根東の6番・高内を迎えた。カウント2-2。捕手・善波のチェンジアップの要求に首を振った。冬場から磨いてきた、一番自信のある内角直球を選択した。少し浮いたところを捉えられた。「チェンジアップのコントロールに自信がなく、捕手を信じ切れなかった」

 関東ナンバーワン左腕の呼び声が高く、昨秋の公式戦は54回余りを投げて61三振を奪った。だが、この日は一回からスライダーが決まらず、他の変化球も見極められた。終盤は下半身の踏ん張りが利かず、球威が落ちた。

 茨城県出身だが、伝統の「エンジョイ・ベースボール」に憧れて慶応に入学した。「甲子園は簡単に勝たせてくれない」。チームを9年ぶりの大舞台に導いたエースも、全国のレベルの高さを実感した。【佐野優】

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