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第103回全国高校野球選手権

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第90回選抜高校野球 おかやま山陽監督の夢

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 <センバツ高校野球>

 おかやま山陽の堤尚彦監督にとって甲子園は「手段」でもある。

 46歳の堤監督は大学卒業後に青年海外協力隊員としてジンバブエで野球を指導した。野球を知らない現地の若者が手作りの野球道具でも目を輝かせてプレーする姿に心を打たれた。と同時に、世界に野球を普及させる重要性を痛感した。野球が盛んなのは米大陸やアジアの一部などに限られ、サッカーのワールドカップのような全世界が注目する大会はないことが背景にある。

 帰国後、マネジメント会社で担当したプロゴルフの諸見里しのぶが同校出身だったのが縁で、2006年に監督就任。当時の野球部は元監督の不祥事でどん底だった。堤監督は指導本の練習内容をまねて立て直しを図ったが、結果が出なかった。「自分の色が出なかった」

 転機は40歳になった11年。選手からグラブなど中古道具を集め、野球環境が整わない発展途上国へ贈る活動を始めた。「途上国に野球を広めるのと、甲子園は全く別物。それが一つにならないと僕の軸にならなかった」。やがて、活動や人柄の評判も広がり、地元の有力選手が集まり始め、昨夏に甲子園初出場を果たした。

 野球を取り巻く現状や活動を知ってもらい、誰かに普及の担い手になってほしい--。甲子園はその考えを広く知ってもらう絶好の機会でもある。2季連続初戦敗退だったが、「(甲子園には)何回でも出てきたい」。夢舞台にはこんな思いを抱く監督もいる。【新井隆一】

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