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第94回センバツ高校野球

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第90回選抜高校野球

乙訓7-2おかやま山陽 乙訓、リリーフ一笑

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 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

第6日(28日・阪神甲子園球場)

 ○…2回戦…○

 ▽午前11時46分開始(観衆3万5000人)

乙訓(京都)

  010014001=7

  200000000=2

おかやま山陽(岡山)


【乙訓-おかやま山陽】乙訓2番手の川畑=阪神甲子園球場で2018年3月28日、久保玲撮影
【乙訓-おかやま山陽】乙訓2番手の川畑=阪神甲子園球場で2018年3月28日、久保玲撮影

 乙訓が逆転勝ちした。同点の六回、茨木、薪谷の連続長短打で1点を勝ち越し、さらに伊佐と浅堀の中前適時打で3点を追加した。五回から登板した2番手・川畑は直球に威力があり、5回無失点と好投した。おかやま山陽は一回に井元の左越え2ランで先制したものの、二回以降は拙攻続き。先発の有本も中盤に粘れなかった。

 ■白球を追って

背番号1、直球ズバッ

 乙訓の背番号1が劣勢の空気を変えた。同点の五回、2番手で右腕・川畑がマウンドに上がった。初球に自己最速を1キロ更新する143キロをマーク。外角の142キロ直球で一ゴロに詰まらせると、一気にギアが上がった。

 この日の先発は二枚看板の一翼を担う左腕・富山だった。しかし、「人生で一番緊張した」と、一回から制球を乱して毎回走者を許す苦しい展開だった。対照的に川畑は「腕が振れて、いつも以上に球が走っていた」。五回2死から有本の初球に144キロを計測し打者に球速以上の速さを感じさせる自慢の直球はいつも以上に切れていた。

 「中学時代から直球に自信があった」という。テークバックのスピードを上げて、腰の回転を意識することで球の切れが増した。さらに直球の球速に近いスライダーを覚えて投球の幅を広げ、直球がより生きるようになった。この試合も直球で押し、5回を投げて3安打無失点で締めた。

 登板前に市川監督から「流れを変えてこい」と送り出され、「余計に気合が入った」と明かす。「後ろで投げる時は、ピンチで出て流れを引き寄せるのが自分の役割」と自覚してマウンドに上がった初舞台。エースが大きな仕事を果たした。【浅妻博之】

下位打線が決勝点

 ○…乙訓は下位打線で決勝点をもぎ取った。同点の六回1死一塁で、右打席に入った7番・薪谷はベルト付近に来た甘い直球を右中間適時三塁打。続く右打者の伊佐も内寄りの球を中堅右にはじき返す適時打にした。右打ちの指示を忠実に実行しており、薪谷は「調子が悪い4番の宮田から、冗談もあると思うが、『頼むよ』と言われていた」と明かす。昨秋はつながりを欠いていた下位打線が、上位打線に負けない働きをした。

【乙訓-おかやま山陽】一回裏おかやま山陽2死三塁、井元が左越え2点本塁打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月28日、猪飼健史撮影 拡大
【乙訓-おかやま山陽】一回裏おかやま山陽2死三塁、井元が左越え2点本塁打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月28日、猪飼健史撮影

 ■春きらめく

成長示した先制弾 井元将也三塁手=おかやま山陽・3年

 打球は左翼フェンスをぎりぎりで越えた。一回に放った先制の2点本塁打。「詰まったので、入るとは思わなかった」。一塁ベースを回ったところで大歓声に包まれると、ようやく拳を突き上げた。

 2年生だった昨夏の甲子園でも4番を任された。聖光学院(福島)との1回戦で3打数無安打に終わり、チームも敗れた。特に一回2死三塁の好機で三振に倒れたことは、はっきり覚えている。この日の第1打席は夏と同じ状況だった。「打てば、成長」。自らに言い聞かせて打席へ。1ボールから甘く入って来たスライダーを、一振りで仕留めた。

 しかし、2打席目以降は凡退し、この冬から転向した三塁守備では2失策。2度目の甲子園で、またも初勝利には届かなかった。試合後は「課題ばかり。まだまだ全国の舞台で戦うには力不足」と声を絞り出した主砲。甲子園からまた一つ、「宿題」を出された。【倉沢仁志】

エース六回痛恨

 ○…おかやま山陽のエース右腕・有本は六回に崩れた。1死後、茨木からの3連続長短打を含む5安打を許し、四球も絡んでこの回4失点。「コースを突けば良かったが、力んで甘く入ってしまった」と悔やんだ。6回6失点で降板してエースの役割を果たせず、「チームのみんなに申し訳ない」と消え入るような声で振り返った。

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