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第94回センバツ高校野球

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第90回選抜高校野球

近江8-5松山聖陵 近江、188センチ右腕一蹴

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 <2018 第90回記念センバツ高校野球>

第6日(28日・阪神甲子園球場)

 ○…2回戦…○

 ▽午後2時25分開始(観衆2万3000人)

松山聖陵(愛媛)

  010100201=5

  05110100×=8

近江(滋賀)


【松山聖陵-近江】二回裏近江2死一、二塁、木村が左前適時打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月28日、猪飼健史撮影
【松山聖陵-近江】二回裏近江2死一、二塁、木村が左前適時打を放つ=阪神甲子園球場で2018年3月28日、猪飼健史撮影
【松山聖陵-近江】松山聖陵の先発・土居=阪神甲子園球場で2018年3月28日、森園道子撮影 拡大
【松山聖陵-近江】松山聖陵の先発・土居=阪神甲子園球場で2018年3月28日、森園道子撮影

 集中打で主導権を握った近江が逃げ切った。1点を追う二回、北村の左前打を皮切りに計6安打を集めて一挙5点。三回には有馬の右前適時打で1点を加えた。先発左腕・林はピンチを最少失点で切り抜け、5回2失点と試合を作った。松山聖陵は近江の2番手・金城を攻めて終盤に追い上げたが、序盤の大量失点が響いた。

 低めのボール気味の厳しいコースを簡単に次々と打ち返した。近江の打線が二回、長身から投げ下ろす右腕・土居の長所を消し、攻略した。

 象徴的だったのが9番・木村。2死一、二塁、2ストライクからワンバウンドしそうな低めの143キロの直球を芯でとらえて左前へ運び、勝ち越しに成功した。さらに1点を追加した後、2番・中尾も低めの速球をはじき返して右前適時打にした。「いいところに投げたのに打たれ、弱気になった」と土居の戦意を喪失させた。

 188センチの長身右腕の攻略法は3点。まず事前の練習でマウンドにブロックの石を置き、その上に打撃マシンを載せて角度のある球筋を打ち込んできた。二つ目はゾーンを絞り、ベルト付近から下の球を狙うことをチームで徹底した。最後は各自でひと工夫。マウンドの高さを含めて2メートルを超える相手と対峙(たいじ)すると、目線が上がってアッパースイングになる。それを防ぐため、木村は「足を上げると、あごが上がるためすり足で打った」といい、中尾は「ヘルメットを気持ち深めにかぶり、高めを振らないようにした」と明かす。

 「近江ブルー」のユニホームと同じように鮮やかな攻めで大量点。その裏には琵琶湖のように深い、緻密な対策があった。【安田光高】

2年生、粘った

 ○…近江の2年生左腕・林は苦しんでいた。右足を高く上げる特徴的なフォームが安定せず、「本調子ではなかった」。二、四回はいずれも3安打を許しながら1失点で切り抜けた。昨秋は7試合に登板し、防御率0・75と安定。近畿大会準決勝の大阪桐蔭戦で先発するなど、下級生ながら経験値の高さが5回2失点の粘りの投球につながった。

【松山聖陵-近江】松山聖陵2番手の隅田=阪神甲子園球場で2018年3月28日、森園道子撮影 拡大
【松山聖陵-近江】松山聖陵2番手の隅田=阪神甲子園球場で2018年3月28日、森園道子撮影

160センチ、マウンドで輝く 隅田寛輝之亮(かきのすけ)投手=松山聖陵・3年

 マウンドで先発の土居からボールを託された。「ごめん」。謝る土居に「(無失点に)守ったるから」。六回、6点差に広げられ、なお2死一、二塁。打者・見市のカウント1ボールでの投手交代だった。

 身長188センチで上手投げのエースから身長160センチの横手投げへの継投。高低差を存分に生かそうと投じた1球目は力み過ぎ、打者の背後を通過した。「でも、吹っ切れました」。そして、フルカウントから打者の手元で小さく曲がる111キロのスライダーで見逃し三振を奪い、土居との約束を果たした。

 元々は大きく曲がるスライダーを投げていた。しかし、速球は120キロ程度だ。であれば、球速を落とさず鋭く曲げる方が打ち取れるのでは、と思った。ひと冬かけて習得した新球が大舞台で生きた。

 「寛輝之亮」という名には「寛大で輝くように」との願いが込められている。1回3分の1を投げて無失点。七回の先頭打者に許した二塁打は悔しい。ただ、「親に感謝の気持ちが伝わればうれしい」マウンド。輝きは確かに残した。【村田隆和】

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